福利厚生の効果と今の時代に求められる福利厚生

福利厚生は、前述したように、労働保険と社会保険に加入することで、社員が仕事や生活をする中の保証になります。そして、住宅補助や社宅制度も、生活面から会社が保証してくれるというものです。
健康診断やメンタルヘルスなどは、社員の身体とこころの健康を保つということにつながり、教育訓練や資格取得支援などは、社員のスキルアップを支援するという制度になります。
2022年には、産前産後休業や育児休業は、産後パパ育休が施行され、男性の育児休業取得が法制化され、そういった対応に取り組むことなども含まれます。
こういった、福利厚生制度は、社員の生活の安定を支えることになり、安心して会社に勤めることができるようになるということなどから、社員の満足度が高まり、会社へのエンゲージメントが高まり、定着の向上と離職の低減、モチベーションの向上、生産性の向上などにつながります。
そして、福利厚生が充実していることを社外にも配信することで、新規採用の円滑化や企業アのイメージ向上などにもつながっていくことなどから重要な要素であり、企業の魅力を高めるための競争手段にもなります。

現代の社会やビジネス環境の変化に対応するために、企業は社員のニーズや期待に応じた福利厚生制度を提供する必要があります。今の時代に求められる福利厚生制度のいくつかの例を挙げます。
・リモートワークとフレックスタイム制度
リモートワークやフレックスタイム制度は、柔軟な働き方を可能にし、ワークライフバランスを向上させます。これによって、通勤時間の削減や家族との時間を増やすことができることなどから、従業員のストレスを軽減できます。
・メンタルヘルスサポート
前述しましたが、現代社会においては、メンタルヘルスの重要性が高まっています。カウンセリングサービスやメンタルヘルスに関するセミナー、ストレス管理のためのリソースを提供することなどを通じて、社員の精神的な健康をサポートすることなども重要です。
・健康増進プログラム
定期健康診断、フィットネスジムの利用補助、健康診断、栄養相談、ヨガや瞑想･マインドフルネスのクラスなど、従業員の健康を支援するプログラムは重要です。健康な従業員は生産性を高め、欠勤率を下げることにもつながります。近年では、経済産業省が推奨する｢健康経営優良法人｣認定などを活用することで、会社で取り組んでいる健康増進活動を社外に発信することで、企業のプランナディングにつなげている企業も多く見られます。
・キャリア開発と教育訓練
社員のキャリア開発を支援するために、研修プログラムや資格取得支援、eラーニングの補助などを提供することなども重要です。こういった取り組みによって、従業員が自己成長を実感しやすくなります。
そして、社員自身が、自分でキャリアプランが描けるようなキャリアデザインの教育なども重要です。
・育児･介護支援
育児休業や介護休業の制度だけでなく、育児施設の提供や介護支援サービスなど、家庭の負担を軽減するためのサポートも重要性が高まっています。こういった取り組みによって、仕事と家庭の両立がしやすくなります。近年では少子化対策という社会課題もあることから、会社がこういった社会課題に取り組んでいくことも社会的責任として求められてきます。