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静岡市人口ダッシュボードを作ってみた その2

 静岡市の人口ダッシュボードを作ってみました その2です。今回はどんなコンセプトで作ったかの記事です。
 ちなみに、こちらが作った人口ダッシュボードです。全画面表示だと見にくいかもですが。スマホ用も追加してみました。

どんなコンセプトで作ったのか

今回、人口ダッシュボードを作成するにあたり、コンセプトを決めて作成しました。コンセプトは以下の4つです。

  1.  誰でも作れるようにしよう

  2.  オープンデータを使っていこう

  3.  無料で作れるようにしよう

  4.  過去データと比較できるようにしよう

ひとつずつ、記載していきますが、この考え方は意外と個人で試すのに共通するのかなと思っています。

1.誰でも作れるようにしよう

 誰でも作れるようにするを目指して、自分でも扱えるレベルで技術的に専門知識を必要としないことをコンセプトにしてみました。誰でも出来れば、興味を持った誰もが同じ取り組みをできますし、誰かと一緒に考えながら同じ取り組みができやすいと考えました。
 そのために気にしたことは、以下の2点です。

① 誰でも使っている表計算ソフトでデータを管理
 データを管理するのはエクセルやスプレッドシートなど、誰でも使っている表計算ソフトを使うことを前提としています。自分の力ではこれが一番かなと。

② ダッシュボードは自分でも作れるBIツールを使うことを想定
 ノーコードと呼ばれる、専門知識がなくても作れるツールを使うことを前提としました。ダッシュボードが作れるツールであるBIツール、最近はプログラミングなどの専門知識がなくても、パーツを組み合わせるだけで大体のことができてしまう。ほんとに凄いなーと感心しました。


2.オープンデータを使っていこう

 利用するデータ、自分では作りようもないので探すことになります。そのため、無償で二次利用ができる公開されているデータであるオープンデータを利用することを前提としてます。
 最近は一般公開されているダッシュボードで利用しているデータはオープンデータ提供されることが多くなりました。
 今回、作成した静岡市のデータはオープンデータとして提供されています。しかも、学区単位、町丁字単位でもデータ提供されていました。
 他の市区町村の公開情報を見てみると、データはマチマチでした。
 なお、市区町村単位などであれば政府統計の総合窓口「e-Stat」(政府統計ポータルサイト)にて国勢調査のデータで様々な人口の解析ができます。e-Statはほんとに凄ーいとつくづく思いました。


3.無料で作れるようにしよう

 「誰でも作れるようにしよう」にも通ずるんですが、無料のサービスを使いこなすことが重要だと考えています。そもそも、自分の趣味の範囲なので、お小遣いを考えると無料以外の選択肢なしの一択です(汗)。
 ダッシュボードを作成したBIツールは無料ライセンスで公開できるツールを使ってます。選択したツールについては下記に記載します。
 人口データの管理も無料となると選択肢にあったのはエクセルかスプレッドシート。今回はGoogleのスプレッドシートを選択しました。コンセプト上、従量課金となるクラウドサービスのSQL等は考慮にいれていません。
 

4.過去データと比較できるようにしよう

 人口ダッシュボードと言うからには、過去データと比較ができないと価値が半減しそうです。そこで、人口を過去から比較でき、見てすぐに分かるようにすることをコンセプトにしました。
 合わせて、学区/地区別で比較できるようにしました。
 なお、過去から比較できるデータは以下の項目です。
 ① 総人口、世帯数
 ② 世代別人口
   15歳未満、15歳以上65歳未満、65歳以上、75歳以上 
 ③ 5歳別人口
 ④ 1歳別人口

 その1でも記載しましたが、過去データが学区もしくは地区別に取得できるのは市町村合併後のデータになります。そのため、今回のダッシュボードは現在の静岡市に合併後以降の年度で比較できるようにしています。
 都道府県単位ではずっと前の過去データから比較できるんですが、市区町村合併があるとデータ内容が異なるので個人的に追えるのはここまででした。


ダッシュボードの作成ツールについて

 ダッシュボードの作成はBIツールで作成をしています。今回、作成にあたり、候補に挙げたのは以下の3つのツールでした。

  1.  Tableau(タブロー) 

  2.  Microsoft Power BI

  3.  Google Looker Studio ※旧データポータル

 このうち、利用したことがあるのがTableauとPower BIでした。ただ、Tableauは使用料が個人で扱うには高額であることから、Power BIを使ってプロトタイプを作ることにしました。
 この時点では自分だけの利用想定だったので、Power BIの無料ライセンスで十分でした。作成したのがこちらです。

PowerBIで作成した 人口ダッシュボードのプロトタイプ

 Power BIの率直な感想、使いやすいです。レゴブロックで遊ぶのと同じ感覚で、組み合わせるとダッシュボードが出来上がります。Power BIを使っている例として東京都のダッシュボードなどがあって、なんか納得です。予算の見える化のダッシュボードって、東京は凄いなー。

 また、利用データは元データをエクセルで修正していましたが、エクセルやCSVでデータを管理をしているとPowrQuery(パワークエリ)という機能が、エクセルやPower BIで無料で使えるのでホントに楽です。使ったことがない方で興味を持ったら、使い方の動画も沢山あるようなので使ってみてください。

 最初は自分しか利用しない想定でしたが、作成したからには自分の心の中でみんなと共有したいが出ちゃいました。なんですかね、このは?。ここで、Power BIは無料ライセンスでは公開できないのがネックになってきました。

 無料で公開したと思っていたところ、界隈で有名な方から「どこのBIツールもできること変わらないんじゃないの。Googleの使ってみたら」と有難い一言から、GoogleのLooker Studioに乗り換えました。
 Googleさん、公開までのツールが無料です。こんな高機能なツールが無料なんて感謝感激です。地図の表示も都道府県や市区町村が分かれば、GoogleMapsを組み込んでダッシュボードに表示ができます。

 一点だけ課題があるとすれば、地図の表示です。個人で作成した地図データはLooker Studioに読み込めないと認識しているので、学区もしくは地区別の境界データはGoogleのBigQueryと言うサービスに読み込んでます。BigQueryは従量課金制のサービスで、自分が勝手に設けたコンセプトから外れます。ここは改善したいところです。

 なお、界隈では有名な別の方より、Tableauはある条件下で、データを公開するならば無料で使えると助言を頂いたので、今後は他のツールで作成を試してみようと思います。

 そんなこんなで、現在、公開している人口ダッシュボードはLooker Studioを使っています。


 次回はさらに深堀りして、データ構造をどう考えて作成をしたかについて話をします。そこで、続きは「静岡市人口ダッシュボードを作ってみた その3」に続きます。
 完全に自分中心の記事ですね。

ちなみに、その1の記事はこちらからです。

 その3に続く。


#人口動態 #ダッシュボード #地域・行政 #DX #オープンデータ

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