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静岡市の人口ダッシュボードを作ってみた その3

 静岡市の人口ダッシュボードを作ってみました その3です。今回、話を深堀りします。データの話です。
 ちなみに、こちらが作った人口ダッシュボードです。

その1の記事 ➡ 「静岡市の人口ダッシュボード作ってみました
その2の記事 ➡ 「静岡市の人口ダッシュボード作ってみましたその2

データ構造は

 前の記事を書いてから時間が経ってしまいました。
 今回の人口ダッシュボード作成時の大事なコンセプトは「誰でも作れるようにしよう」「オープンデータを使っていこう」でした。
 そこで重要なのは、扱うデータが、わかりやすく、他の都市でも展開できることだと思います。そのためには、「どこでも扱いやすい情報を扱う」「データ構造を標準的なものにする」が必要と思い、人口ダッシュボードを作成の際に検討した内容を記事にしました。

1.どこでも扱いやすい情報を扱う ※エリアの話

 市区町村の人口データをエリアごと比較するのに、どういったエリアが考えられるのでしょうか。個人的には、以下のエリアに分かれると思います。

 人口を地域で比較・分析するとなると、市区町村エリアでなく、もう少し細かいエリア分析できることが望まれそうです。市域内でも北・南・西・東など、地域特性が変わると思いますので。特に静岡市など広大な面積を有する場合は、市区町村エリアでは分かる地域特性に限界があります。

 では、町字界を採用するかですが、以下の理由で今回はしませんでした。

  •  住居表示への変更があると、過去データの比較ができない。

  •  町丁字界では面積が小さく、エリアが多すぎる。

 以前から、市区町村内の町字界が全て住居表示になっていれば過去データと比較ができますが、そういった市区町村は限られると思います。例えば、〇〇市△△だったのが、数年前に〇〇市△△一丁目~五丁目に変更していたら、データが比較できないですよね。

 また、町字界だと、例えば静岡市でも1,000程度あり、誰でも簡単に人口を把握するには境界が多すぎます。これが、自治体面積が100k㎡ぐらいであれば町字界でもいいかもしれません。
 この話、沼にはまりそうなので、この辺で終わります。

 となると、誰もが扱いやすいのは「市区町村エリア」よりも詳細で、「町字界」よりまとまったエリアと考え、「学区・地区エリア」を採用しています。程よく人口による地域特性を分析するのに使えそうと考えました。ちなみに、学区・地区エリアの人口が分かれば、市区町村エリアの人口も分析ができます。

2.データ構造(フォーマット)を標準的なものにする

 今回利用した元のデータは、静岡市の住民基本台帳に基づく人口データです。このデータはオープンデータ提供されていますが、人が見ることを前提にしたエクセルデータであり、そのままBIツールに取り込むことができませんでした。このことは静岡市に限ったことでなく、多くの自治体で機械的に取り込むことを前提としたデータに「なっていない」と想定しています。
 
 他の都市でも人口ダッシュボードなどが展開できるためには、データフォーマットを標準的なものにする必要があります。今回は以下の3つを参考にして、今回扱う人口データのフォーマットを考えました。データの項目名(フィールド名)は日本語を前提にしています。

 なんかマニアックになってきました(笑)。
 1.の場合はデータフォーマットが自治体ごとに異なるため、例えば今回の人口ダッシュボードを複数地域に展開するのは困難であることが予想されます。つまり、手作業でデータ構造を合わせる必要がありそうです。

 2.は国勢調査のデータフォーマットに合わせれば、地図に表現しやすいと考えました。国勢調査では町字界の境界データが提供されているので。しかし、データ定義書を見ると、住民基本台帳をベースにした人口データから合わせるのは一苦労しそうです。

 そこで、3.「自治体標準オープンデータセット」を基本のデータフォーマットにしました。他の展開もしやすいです。ただし、1歳別人口や学区・地区など、データ定義がないところは、今回、追加して人口データを作っています。
 データ利活用をするためには、こういったデータフォーマットを最初に決める、これは重要なことだと思いますが、どうでしょうか?

 なお、英字の表記はBODIKの英字表記を参考にさせていただきました。BODIKさんが関わっているだろう福岡では、多くの自治体で福岡都市圏共有フォーマットという標準化したデータでオープンデータ提供されていました。すごいなーと関心させられました。


 本当は今回の記事で、このシリーズ記事の予定でしたが、長くなったので、「静岡市の人口ダッシュボードを作ってみた その4」に続きます。


#人口動態 #ダッシュボード #地域・行政 #DX #オープンデータ


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