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「死に欲」とはいう勿れ

珍しく今朝は8時まで寝てしまった。目覚ましの替わりに、6時45分から7時まで、毎朝「ラジオ英会話」が点くようにセットしてある。一応は毎月テキストを買っているのだが、開くことも無く、完全に目覚まし替わりになってる。

毎朝、4時までには起きているので、第一声が鳴ると速効スイッチを切ってる。NHKには、受診料と共にラジオテキストの書籍代も払っているので、「クラシックTV」の鈴木愛理ちゃんだけはしっかり見てる。今朝は爆睡で、見事に寝過ごした。もっとも、早起きをしてもすることも無いが。


子どもの頃に良く聞いていたのが、年寄りが早く起きて、用も無いのにゴソゴソし始めることを「死に欲」と言っていた。夜は早く寝て、早く起きる。健康的のようだが、周りの家族はたまったものではない。

最近は核家族化、これももうかなり古い言葉になったものだが、親も別居が多くなり、早く起きても誰の迷惑にもならない。むしろ本人が早い目覚めは、何をして良いのか迷うくらいだ。これはお一人様暮らしの醍醐味であり、苦痛でもある。


夕べは一人焼き肉で飲んでいた。いつもの習慣で、9時には眠くなり、片付けもそこそこに布団に入った。

持病は高血圧や腎機能不全、頸椎と腰椎のヘルニア、それに不整脈と期外収縮に冠動脈狭窄の治療も数回という、見事な肩書きも有している。が、本人にとってもっとも苦痛なのが「食道裂孔ヘルニア」というヤツだ。

「食道裂孔ヘルニア」の主症状として、少し食べ過ぎたり飲み過ぎると、胃の中の物が食道まで逆流してくる。食道までなどと簡単では無く、熟睡してると突然口の中まで来てしまう。しかも日常的に胃痛もあり、逆流性胃炎の薬は欠かせない。

なので、いつもは遅くても7時までには夕食を済ませ、風呂に入り、NHK受信料分はと思いながらTVを見ながら一杯やると、ほぼ9時には眠くなる。興が乗って12時まで起きてることは稀になった。

昨日たまたま「焼肉キング」の看板を見て、我慢できずに一人焼肉をしてしまった。しかも強炭酸で割ったライム味の焼酎割で。久し振りの「濃い~」味で飲み過ぎ、それでも習慣で定時には眠くなった。

横になると・・・恐怖が襲いかかり、眠いのに無理して12時過ぎまで起きて机に向かっていた。何をしていたのかさえ記憶に無い。ただ必死に、こみ上げる物を抑える事だけに専念した。専念すると、胃の方も負けじと押し上げてくる。


フラフラと布団に潜り込むと、いつものように子ども達ふたりが夜中の運動を始め、一暴れ済むと「ご飯、ご飯」と上に乗ってくる。ふたりのご飯を用意して、トイレの掃除をしてやり、何とか布団に戻ると、ふたりが足の上に乗って、一緒に寝付けた。

Fitbitで見たら、睡眠時間は合計で5時間半になっていた。少ない時は3時間の睡眠だから、睡眠時間を確認して安心した。体感的には、不眠なのだが。


「超」の付く早起きは「死に欲」では無く、ただの「苦痛」なのだ。この「苦痛」に堪えかねて、老人達は早朝の散歩に出掛ける。

早起きをしてしまうなら、遅く寝れば良いだけの事だが、年寄りにはすることも無く、起きてる事由が何も無い。夜は起きてる事が苦痛なら、朝に寝てる事も苦痛だ。これは70歳を少し超えてから気付いた事だ。

朝早く起きてゴソゴソするのは、死ぬ前に世の中を見ておきたい、などという「死に欲」では無い。心臓で治療後に、リハビリを兼ねて早朝の散歩をはじめた。最近はやっと顔なじみになったのに、一人ふたりと来なくなった。誰もその事に深入りをしない。互いに仕方ない事と割り切っているのか、諦めているのか、いずれは我が身にも起きることだ。

自身の生き方に右往左往すること無く、この自然に委せた卓見した姿は見事だと思えるようになった。いよいよ「死に欲」さえ欲しなくなったのか。

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