『眠れる美女』を読む
これを読んだのはいつ頃だったろうか。内容に関しては全く記憶にない。他の短編集と同じように、短編といえるほど短くはないが、サラッと読み流してしまったのかもしれない。その後読み返すこともなかったのは、自分の読書は単なる乱読だけなのかもしれない。
三島由紀夫と、川端文学を翻訳して世界に知らしめたエドワード・サイデンステッカー氏が絶賛した『眠れる美女』は、まだ中学生には理解は難しい作品だった。あらためて70歳を超え、川端康成の没年と同じ歳になり読むと、捉え方が全く違ったものになる。