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雑文など

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エッセーなどとは言えない、思いつくままに書いたもの。生意気にも、いつかは私小説的に書いてみたいとの夢も。
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辞書は紙が良い

NHKのドラマ「舟を編む」が楽しい。 中型辞書と言えば、とうぜん『広辞苑』。意味を調べると言うよりも、辞書を開いたときの偶然性が面白い。ドラマの中では「セレンディピティ(Serendipity)」と表現していた。そう、その偶然思いもしなかった宝物を得る、それが『広辞苑』などの中型辞書の面白さだ。 記事をアップしてから、「悠々自適」という言葉が気になった。 「ゆうゆう」は漢字の連続だが、中国語では無いモノもある。和語に漢字を当てる事により、より和語の持つ意味を拡げたようで驚

「忿」という漢字の読み方

NHKテレビドラマ「舟を編む」の中で、主人公の渡辺みどり(池田エライザ)が「右」の語釈として、涙を流しながら日の出を見て最初に乾く方、と表現した。確かに日の出の東を向けば、南は右になる。南側は暖かいので先に乾く、と考えたのかな。お見事な文学的表現、だが、こういう事に疑問を持ってしまう悪いクセがある。恋人と別れた後で、共に日の出を見た思い出の場所を想像したのだが、日の出に向かっていれば、両目に均等に光や熱が届くので、必ず南側が先に乾くとは限らない。 という事は横にして、「みぎ

一日中の強風で、あの人は

夜中の2時に、台風のような強風の音に目が覚めてしまった。猫2匹も一緒に目が覚めて、2時間近く暴れ回っていた。 明け方に一時的に風は弱まることが多いのだが、この日は夜の10時頃まで強いままだった。風のために、一日中外に出ることが出来ず、数日間散歩に出てない。そのせいか足に力が入らない。 上州名物カカア天下とカラッ風、というが、この頃の赤城下ろしの乾いた冷たい風は、経験した者でないと分からないだろう。そして、この強い風の中でも女子高生は自転車で橋を渡って登校してる。 橋の向

渋谷駅前の思い出

今年もハロウィンで、渋谷駅前に6,000人を超える若者が集まり、恒例となったあの騒動が起きたそうだ。数日前には、韓国の繁華街イテウォンでも大勢の若者が集まり、狭い通りでの転倒事故から154人が圧死、130人以上が怪我をしたというニュースがあった。それを受けて、今年は多少は少ないのではと思われたが、余り影響が無かったようだ。 日本では多くの警察官や警備員が出動している。事故や喧嘩は自己責任であり、いっそうのこと警備は止めるべきでは無いかと思う。翌日の朝まで警戒はせず、死者が出

万物全て同じくり返し

70代も半ばとなれば、髪が薄くなるように、歯の抜け落ちるように、頼るべき人との別れは仕方ない事。早くして逝った友人もいれば、自ら舞台を降りた者もいた。 結婚式の招待は面倒だが、葬儀ならば喜んで行ってやる。そんな悪態を吐いてた頃が懐かしい。互いに高齢者になると、会うことも無くなってくる。 青青陵上柏  青青たる陵上の柏 磊磊澗中石  磊磊たる澗中の石 人生天地間  人は生まる天地の間 忽如遠行客  忽として遠行の客の如し 青々と茂った台地の柏の木 磊磊と転がる谷川の石 人

『原点で読む日本の思想』が面白い

この科目、選んで大正解だった。 今朝は第2章まで読み返した。辞書なしでも読めるが、ここで広辞苑の出番となる。普通の国語辞典や古語辞典では出てない言葉もある。 古事記の中の青人草という言葉も好きだ。日本国の人は神が作ったモノではない。次から次へと生い茂る雑草のように、たくましく自然界から這い出てくるような力強さを感じる。同じ大地から、同じ様に、雑草と同じく生い茂っていく。 古事記や日本書紀はサッと読んだ程度だが、あらためて深い解釈を読むと、面白さが湧いてくる。日本人の原点

辞書の文字

机のPCの上に棚を作り、辞書類を置いてある。置いただけで、実際にはほとんど使っていない。 この他にもデジタル化した広辞苑や、電子辞書もある。それらの辞書類もほとんど使わなくなった。電子辞書は広辞苑を始め、200冊分以上の辞書事典が入ってるが、最初は面白半分で使ったが、紙の辞書に比べて目的の頁にたどり着くのが遅い。それ以上に納得感が得られない。 国語辞典は3冊、漢和辞典が2冊あるが、辞書で遊ぶには何となく辛い。今回『広辞苑』を購入して読み始めたら、文字の大きさ以外に、何かの

猫からの教え

高齢者にとって、ペットとの暮らしは楽ではない。というか、しだいに難しくなってくる。 我が家の猫2匹、一昨年の6月から共に暮らすことになった。広いキュウリ畑の、農機具置き場の、小さな小屋の床下で生まれた。母猫は黒猫で、ほとんど鳴き声を出さなかったので、子猫達も声を出さず、気付くのがお遅くなったらしい。 猫好きの人達に声を掛けて、我が家と縁のあった2匹以外は直ぐに引き取られた。痩せて小さな母猫と、声も出さずに寄り添って、愛想もない2匹が残され、親子3匹を保健所に連れて行くこと

広辞苑、買った・・・

図書館に通って、たぶん、この先それほど読む事はないだろう。とは思うのだが、どうしても手元に置きたい。なので今日購入してきた。はじめて『広辞苑』を手にしたのが中学の時だから、孫娘の中学の入学祝いで、などとレジのお姉さんにどうでも良いような言い訳を言いながら、『ラジオ英会話』のテキストと一緒に置いた。 久し振りに、半世紀くらい振りに開いて読んでたら、猫が不思議そうに見てる。『広辞苑』は中学の時に、『世界大百科事典』とともに一番読んでいた本だろう。百科事典は家になかったので、学校

コーヒーの思い出

風邪で一週間も寝て過ごすと、妙に昔のことばかり思い出して懐かしい。今朝は起きてPCを立ち上げ、YouTubeでニュースを見ながら、JAZZのBGMを聞いてる。朝のコーヒーが増えて、けっこう優雅でノンビリとしてるのに、時間の経つのが早すぎて、結局何も出来ないまま1週間が過ぎ、1ヶ月が過ぎていく。つい最近まで、一日の時間が短く1週間が長く感じていた。今は一日の時間はタップリあるのに、1ヶ月がアッという間に過ぎてしまう。これも高齢者の特徴かもしれない。 昨年からドリップコーヒーが

遠くの親類より近くの他人

「遠くの親類より近くの他人」という。 夕方、風呂自動で湯沸かしのスイッチをいれた。時間が掛かるだろうと、自室で調べ物を始めて、熱中しすぎて数時間が経ってしまった。かなり遅くなって、ちょうど風呂から出たときに隣のご主人が来た。まだ着てなかったので玄関越しの会話だけだが、お風呂が沸いたのに長い時間、全く音が聞こえなかったので声掛けに来たという。お礼を言って、後からジンワリと感謝の気持ちが湧いてきた。 普段あまり話す機会もなく、顔を合わせることもほとんどないのに、何時もと違うこ

何気ない話しなのに

60歳で自営を辞め、ときどき働き、63歳で独身に戻った。気晴らしに契約社員になり、人生終わった感の、僻めになった。 決して達観してるわけでも無いのに、妙に若い者から電話やメールが来るようになった。たぶん、何かに迷い悩んでの事なのだろうが、電話を掛けてくるときには、たいがい自分なりの結論が出てることが多い。 契約社員の時の上司から、何度目かの転職で、今は少し大きな会社に落ち着いたと連絡が来た。もしかしたら県外の工場へ行くかもしれないが・・・、と・・・、その後に、どうでも良いよ

もう中学生

家に遊びに来ては、キータンと一緒にお昼寝をしていたのに、もう中学生になってしまった。別居してると他人の子どもと同じで、成長は早く感じる。 誘われていたバンドに参加するらしく、エレキギターを探しているとのことだ。入学祝いに贈ろうとしたが、まだエレキにするのか他の楽器にするのかは分からないとか。一応はピアノのレッスンは通うようだ。物語も毎日書いてるというので、持ち歩きできるように電子ノートを贈った。 高校は部活が自由で制服が可愛い学校に決めていて、バンド仲間と一緒に同じ高校に

図書館へ行ってきた

日本史と和歌に興味が湧いてきて、特に戦国時代までの庶民や女性の生き方を知りたいと思っていた。ちょうど『方丈記』や『徒然草』を読んでいたときに、TVドラマ「光る君へ」が始まり、今まで読んでなかった『源氏物語』を読んでみたくなった。 原文では少し抵抗感があるので、現代語訳で、角田光代現代語訳『源氏物語』が読みやすいと聞いていたので、図書館で実際に読んでみた。図書館のロビー受付前には、ドラマの影響か『源氏物語』関係の書籍類が並べられていた。受付で検索してもらうと、角田訳三巻セット