昔の話:旅先で聞いた端唄
「縁かいな」父の得意な、好きな端唄だった。むかし裏路地に、国際劇場とかいった映画館があり、その前に小さな居酒屋があった。女将は元神楽坂芸者だったとかで、若い頃を神楽坂で過ごしていた父とは気が合っていた。客がいないときには、女将が三味線を弾き、父が「縁かいな」とか「槍さび」などを唄っていた。「槍さび」だけは聞いてても意味が何となく分かり、良い曲だと思った。女将は「槍さび」は難しいと言っていたが。
伊豆に旅行したときに、芸者さんをよんだ。一人は若くて綺麗な人だったが、全く面白く