【noteで文化祭~お化け屋敷コーナー】なんでもオバケに見える目でお化け屋敷に行くと
わたしは、両目視力0.01~0.02ほどの弱視である。矯正は不可能。
ぼんやり見えているわたしは、ときにオバケではないものをオバケと間違えて怖がりながら生きてきた。
キレイな真っ白いウエディングドレスを着た花嫁さんとか。
小学生のころのキャンプの夜中の探検では、白い服を着た髪の長い知らない女の子のことをオバケと間違えて、ぶるぶる震えていたこともあった。(たぶん参加者。オバケではないはず)
夜道で、白い看板を見て、オバケだと思って、走るように逃げたり。(翌日、そこに白い看板があったことに気づく)
そんな風に、目が見えている人なら、オバケと間違えることのない人やモノをオバケと認識して怖がっていたわたし。
お化け屋敷は見えていないのだから、怖くないと思うだろうか?
いえいえ…誰よりも、一番叫んで、怖さを演出しているのはわたしかもしれない…。
***
はじめてのお化け屋敷の記憶は、自分がオバケ役をやった小学生のときの文化祭。
やりたくないオバケ役になったわたしは、やだなぁという気持ちを抱えながらみんなが来るのを待っていた。
人が来たのに気づくのが遅れて、上手に驚かすことができず、「なんだ、リコちゃんじゃん!」「驚かして~」と笑われた記憶がある・・・。やっぱり弱視のわたしには、オバケ役は適任ではなかった。
次の記憶は、中3のときに志望校の文化祭に行った時のお化け屋敷。もうひとりの友達と入る前から怖がりすぎて、高校生に早く入ってくださいと怒られた記憶がある。入ってみると怖くはなかった。
大人になってからは、子どものときよりも、お化け屋敷に行く機会があった。
あるとき、遊園地にて、
「お化け屋敷だ、入ろうリコちゃん!」
怖いもの知らずの友達に誘われた。怖いものが苦手なわたしだけれど、そこのお化け屋敷は作りものに見えたし、オバケだって仕事だろうし、そんなに怖いはずないよねぇ、くらいの気持ちで、あとをついていった。
お化け屋敷に一歩足を踏み入れると、そこはもう真っ暗で。わたしの目にはなにも見えない。
不気味な音と風が怖い雰囲気を作りだしている。
大丈夫。友達とくっついていれば、大丈夫。
友達と腕を組みながら、進んでいく。
友達は全然怖くないのか、ずんずん進んでいく。
わたしも、暗い雰囲気は怖いが、何も見えないし、とのんきにかまえていたのだが・・・
わたしの目の前に白い布のようなものが近づいてきた。
良く見えないけど、白いなにか。
そのゆらりゆらりと近づいてくる様が不気味に見えたわたしは、
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
そのお化け屋敷にいる誰よりも大きな声で叫んでいた。
それが何だったかは忘れたが、友達はたいして怖いものは見えていないのに、わたしがあまりに叫ぶから、
「ちょ、どうしたの?!なんか見えた?!」
と驚いていた。
「いや、白くて不気味な・・・」
「・・・ああ、あれね、大丈夫。」
「え、大丈夫なの?あれなに」
友達がなんて答えたかは覚えていない。
それからまた歩き始める。
何かうっすらと見えるたびに、わたしには怖いものに感じて、大絶叫していたが、友達は、
「作り物作り物!」
と怖がっていない。
終盤になると、たしか床に鏡があって・・・そこに何かが写っていたようで、それは友達が怖がっていた記憶がある。何が写っていたかは見えていないので覚えていない。
それから、もうすぐで出口!というところで、何かを持った人が追いかけてきた!
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
わたしは大声で叫びながら、震えながら全力で走って出口を出た。
さすがの友達もちょっとだけ叫んでいたけれど、わたしほど怖がってはいなかったようだ。
明らかにオバケ衣装を着た人で、明らかに作り物のオノを持っていたそうだ。
ちいさなお化け屋敷。
出口につくと、スタッフと友達が大笑い。
きっと、小さな手作り感あふれるお化け屋敷で、あんなに叫ぶお客さんも珍しかったのかもしれない。
見えていないのに、雰囲気で大絶叫してしまうお化け屋敷。
それは、子どもと一緒に行くときもそうで。
洋風のお化け屋敷にて、子どもは「あ、ゾンビだ。」「あ、吸血鬼だ」と言いながら歩いているのに、わたしは大絶叫である。
「ママの声のほうが怖いよっ!!」
オバケが見えていないのに雰囲気で怖がるわたしは、いつでもどこでも、お化け屋敷の演出を盛り上げているようだ。
*noteで文化祭 【お化け屋敷コーナー】
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