芸術は保存された誰かの記憶
家族でハワイアンズへ行った。1泊2日の小旅行。
屋内プール、温泉、モノリスタワーでの宿泊と食事。どれも満足だったが、僕にとっては夜に見たファイヤーダンスとフラダンスのショーが一番印象的だった。
フラダンスって、よく見ると一つ一つの動きに意味があって面白い。
波、風、太陽など自然を表現した動作。網を引く、仲間を呼ぶ、化粧をする。生活の中の動作。それを愛おしそうな笑顔をたたえながら繰り返す。自分たちの日常生活にある些細なことを愛してやまない気持ちが伝わってくる。
土着の伝統芸能だって、最初に振り付けを考えた人やそれを洗練させた人がいるわけだ。その人の気持ち、何を表現しようとしたのかを想像しながら見ると面白い。芸術とは保存された誰かの記憶。プロの振付師など、個人の表現ではなく、誰とも知らない市中の人の記憶が伝承され今も伝えられていると思うとなかなか味わい深い。
息子はイケメンマッチョ5人のファイヤーダンスに圧倒された様子で、体でリズムをとりながら食い入るように見入っていた。帰り際におみやげ屋さんでファイヤースティックを模したおもちゃをお母さんにおねだりし、部屋へ帰るなり半裸になりファイヤーダンスショーが始まったのだった。