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住宅営業の仕事は本当に不思議な仕事でした。20年間でお引き渡しした210件のお客様とのお話。 番外編 【アフターコロナで思うこれからの家づくり①】


30年近く住宅営業をしてしまって思う事があります。「家を持つ」という考え方です。今、日本はご存知だと思いますが空き家が増え続けています。

平成30年現在の土地統計調査で846万戸です。2033年には3軒に一軒が空き家になるとも試算されています。こんなに新築好きな民族もいないのでは?

その一方で新築住宅着工件数はは1996年の年間住宅着工件数162万戸をピークに下がり続けたとはいえ、まだ年間でその半分の80万戸ぐらいで推移していま

す。??気づきました。5年前の空き家の土地統計調査際は820万戸だったそうです。それが5年間で26万戸増えました。年間5万戸づつ空き家になっている

計算です。空き家が増えていく一方で減ったとはいえ、新築住宅着工件数は毎年80万戸推移で増えているというこのジレンマです。

日本の合計特殊出生率は1.42%(2018年) 出生数91万8000人(2018年)です。こんな人口が増えない国で、新築住宅はどんどん作っている。不思議な国です。

どうしてストック住宅をもっと価値あるものに、利用活用しようとしないのか。
これには国の政策も絡んでいます。私が入社した1990年の段階で、住宅を建て

てる方の多くは当時《住宅金融公庫》を使っていました。もちろん当時は小泉首相が解体するまで国の金融機関です。さらに厚生年金住宅融資がありました。

今では考えられないかもしれないですが、厚生年金が住宅ローンをやっていたのです。しかも厚生年金住宅融資は何故だか抽選でした。これある意味、射幸心を

煽っていませんか?笑

 当時は駆け出し2年目、3年目でしたから、何の疑問も持たずお客様のローンの手伝いをしていました。住宅金融公庫法っていう法律まであったんですから。

これ完全に家を建てるのは国策ですよね。ある意味、中国共産党並ですよね。家を建てる国民に国がお金を貸すんですから。

その住宅金融公庫法では固定金利の上限が5.5%と決められていました。確かまだ時代はバブル冷めやらぬ中で最高5.5%まで貸し出し金利が振り切っていた

時代もありました。住宅は家一軒の家を国民が建てると、住宅建材だけで20数満万点以上の建材や部材が使われます。鉄であったり、木材であったり、

そして家の材料だけではなく、カーテン、照明器具、家の中に置くソファー、テーブルダイニング、ベッドと言った家具一式を購入される方も多いです。

そして同時に冷蔵庫、テレビ、洗濯機等の白物家電の買い替え需要も喚起します。

そして外回りに使う門扉、駐車場の屋根、そして車まで家を建てるタイミングで買い替えされる方もいます。

分かります?一軒の家を建てる事で経済が大きく動くのです。

住宅市場の規模はリフォームまで含めると45兆円とも言われています。国内旅行産業の市場規模21兆円の実に2倍です。

それが年間で先ほどの新築住宅着工件数が100万戸以上あるだけで内需拡
大政策を産むのです。

当然国策になります。政治家達の選挙の公約にも、手柄にもなります。

これには歴史も絡んできます。

次回へつづく

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