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住宅営業の仕事は本当に不思議な仕事でした。20年間でお引き渡しした210件のお客様とのお話。23

一生に1回家を建てられるかどうか?家を買うのと、家を建てるのは似ていて非なるものです。むしろ全く意味合いが違う場合があります。

家を買うならば、建築費用の見積もりをそれほど詳細までは見ないで済む可能性が高いです。でも家を建てるとなると建築費用は多岐に渡ります。

時々見積もり書が細かいのを好むお客様がいました。機械系の方とか、鉄鋼メーカーの方とかに多かったでした。ただ見積もり書が細かい、見積もり書の

項目が多い事が必ずしもお客様の為になっていない場合があります。もちろん一概には言えないです。これはお客様に教えてもらった事でした。

その方は鉄道会社の土木系の方でした。その方が言います。

「見積もり書の項目が多いと、操作しやすい、見積もりが細かいと、どこがどう変わったか?分かりにくい。だから見積もりなんてのは大きな項目でくくってくる方がいいと。」

特に建築、家は使う部材が多すぎて見積もりは細かくしてくれるな。と

車でも多い人で買い換えは4回でしょうか。結婚式でも多い人で3回でしょうか。笑

するとだいたいわかりますよね。何にお金かかるのか?自動車税にいくら、車体価格とその他オプションの値段、結婚式に使われる花の値段の松竹梅、名札の

松竹梅、引き出物の松竹梅、離婚にかかる慰謝料と養育費の相場。。。。笑

でも一生に1回しかない家づくりはお客様も知っている人は少ないです。25年前はインターネットもありません。

今でこそ各社メーカーの価格から、はたまた見積もりまで晒される時代です。当時はそんな情報開示はありませんでしたから。圧倒的に情報量は建築会社側が握

っていました。それをいい事に説明しないといけない項目、入れておか
ないといけない予算を入れない営業を私は許せなかったでした。

それをする部下も許さなかったでした。

かかるであろう費用を全部出せ!とそれが誠実な営業だと。伝えてきました。ですから引っ越し代から、仮住まいの敷金まで、かからないかも分からない地盤改

良費まで 全部予算を確保して出すのです。確保していた60万円が正式に見積もり出して70万円になってもそれほどお客様は衝撃を受けないですが、

70万円を後出しジャンケンで、「かかります。」

と言われたら衝撃は大きいです。そんな項目が3つ増えるだけで210万円ですから。

私が出す予算書にお客様は最初は衝撃を受けます。仰け反る方もいらっしゃいました。でもそこがチャンスだと思っていました。価格から逃げない私を、数字に

負けない私をお客様に知ってもらえる好機だからです。

説明を聞かれるうち安心感を得られるのです。私は言います。

「あとで減るのと、あとで増えるのとどちらが良いですか?」

答えは決まっています。

次回へつづく

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