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雄谷住職で知る社会の課題に挑む大切さ。挑む困難さ。ようこそ!一新塾へ 16


シェア金沢も行善寺も誰が来てもいいし、誰がいてもいい。そんな空気感です。

これはやはり住職である雄谷さんと寺が作り出す雰囲気なのかと。ここで働く人達も何か楽しそうなのです。雄谷さんも言われていました。

社会福祉の仕事は離職率が高い中、佛子園は離職率が高いどころか次々に就職希望の方が来られて助かっていると。

そしてシェア金沢の周りもそうですが周囲に移住してくる人が増えて街が大きくなってきていると言うのです。

その人達が地区への転居を決めた主な理由が「居心地がいい」だったらしいです。


「障害者が奇声を発したり、認知症の人が不思議な行動をとったりして最初は驚いたが、不思議と居心地がいい」というらしいのです。

以下はある学者の方の引用ですが

半径約1.6kmの中で、自分の近くにいる人に「私は幸せだ」と伝えると、そのうちおよそ15%の人がその言葉の影響を受けるという。

幸せと言った人の知り合いの知り合いでは10%、さらにその知り合いでは6%となる。

これは、自分の全く知らない人にさえ何らかの影響を与え、その反対に自らも影響を受けているそうです。

「実験結果に驚きました。仏教の縁起説や因果応報の考えと同じことが起こっていたからです。生きがいや喜びに溢れたまちにいると、それらが自分にも戻ってくる。
しかし、高齢者が引きこもっていたり、障害者への対応がひどかったりすると、まちが悲しみの空気に満ち、住民たちにも返ってくることを示唆しています。」

雄谷さんが教えてくれました。

2016年の厚生労働省の発表データによると、ダウン症の人たちに「毎日幸せに思うことが多いか」と質問したところ71%が「はい」、20%が「ほとんどそう」と回答したと言います。

ダウン症の人が地域にいれば、みんなに幸せが伝播していく。ごちゃ混ぜによる居心地のよさは、これらの研究と調査結果からも示唆されているそうです。

講義の最後に以下の言葉も教えてもらいました。

「“人を育てられる人”を育てたい」

有能な人を育てることは大変ではないが、“有能な人を育成できる人”を育てるのはとても難しいとの事。とても意味の深い言葉だと思いました。

「これを目標にすると、育てる側の自分の評価は一生つきません。後進を育てられたかの評価は、育てた後進がさらにどのような後進を育てたかになり、それはずっと続くからです。でも、私はそれでいいと思っています。その方が、人を育てる努力を継続できますから。」

社会福祉事業は儲からない、利益を出しにくいという話を別の場所で聞いた事があります。

でも雄谷さんは行政の補助金をほぼ使う事なく運営されて、従業員の方の給料も支払い、利益を出されて、街に還元もされている。

本当に社会福祉業界のスーパーマンだと思いました。こんな人に近づける事が出来るのか。

自分は何が出来るのか。

行善寺のお風呂に入りながら考えていました。

次回へつづく

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