見出し画像

ごきげんよう、あやめでございます。最近は色々様々やらねばならぬことが、わたくしの力量不足(主に体力不足)によってできずにおりますおかげで、口癖が「終わらない」になりました。はて、なにが終わらぬのやら。全貌も把握できぬまま、「終わらない」気になっております。いややはり季節の変わり目は苦手です。しんどくて仕方がない。そもそも湿度が高い私を、実際に湿度が高い環境においてはいけません。保管はどうか、冷暗所に。

だだっ広い空間のど真ん中に、私は捨てられた。

嘘だ。だだっ広い空間なんて知らない。雑多な、それほど田舎でもそれほど都会でもない、特徴のない街に生まれて育った。例えば海は「だだっ広い」かもしれないが、海無し県出身だから、旅行で何度か行って見たことがある程度で、とても、そのど真ん中に、捨てられたことなんて、経験はない。 捨てられてもいない。別にめちゃくちゃ良い親、家族、だとも思わないけど、かと言ってまあ、酷い家族でもない。普通。普通に喧嘩するし、普通に喋るし、普通。捨てられるとかは、まあ、ないと思う。まあ、一応尊敬もしてるし。育ててくれてありがとう、とは、一応、思う。 成績も見た目も運動神経も、普通。ものによっては中の下くらいで、ものによっては中の上くらいで、つまり普通。目立ちたくないし、怒られたくないし、要領悪いし。 これで、自分がどれだけ普通か、まあ、一般?的かわかったと思うし、これ以上やったら自分が傷つくのでやめる。だからなんか、就活とか?で個性が必要になったらヤバい。ガチで。なんもアピれる部分ないし。普通だし。目立ちたくないし、てか面接嫌すぎるな。 普通〜に流行りに乗るし、普通〜に恋人欲しいし、普通〜に勉強嫌だし、普通〜にマンガの設定に憧れるし。え、普通だよね? こういう人間だから、自信とかは、ない。自信の塊みたいな人見ると、うわ、って。それでまた、自信無くすし。 だから今日、学校でディスカッションみたいなことするダルい講義あったんだけど、いやダルかったんだけど、なんかめっちゃアイディア出す人がいたから助かったは助かったけど、やっぱりへこむな〜とは、思った。何食べてたらそんなこと思いつくんだろう、とか、なんでこのタイミングでそんなこと言えるんだろう、とか、ぐちゃぐちゃになって、ああ、自分って無力だな、何かできることってあるのかな、って、不安になった。しかも同い年。だから、「〇〇さんってすごいね、どうしたらそんなにいろいろ思いつくの?」って聞いた。雑談的なノリで。そしたらその人は、「ほんとですか?嬉しいなぁ…でも私そんなにすごくないですよ〜」って、ニコニコしながら返して、そのあともまた凄いことを思いついていた。 あれからずっと、その人が気になっている。ああいうひとが「主人公」なんだろうな、と思った。難しいことをたくさん、楽しそうに話してる。成績とかめっちゃ良いんだろうな。でも、「テストいやですよね…」と言って、困った顔で笑ってた。嘘つき。どうせめちゃくちゃ良い点取るに決まってるのに。 こっちがどれだけ頑張ってもがいてあがいて絞り出しても、むこうはなんでもないような顔でそれ以上を出してくる。生まれた時から決着がついている。何をしても勝てる相手じゃない。私がぶち当たっている壁は相手にとって壁じゃない。あーあ、起きたら天才にならないかな。

とでも、思っているような目で、睨め付けられるのに、もう、慣れている自分がいる。 ある授業で一緒の班になった人が、どうも最近、よく話しかけてくる。その度に「あやめちゃんはすごいよね…自分なんて…」と自分を卑下して喋って、満足して帰る。人を×××とでも思っているのだろうか。 同時にその人は、私を×××か何かだと勘違いしている。一応念の為申し上げるが、断じて×××ではない。人外ではない。歴とした人間、としてやらせていただいている(真相がどうであれ)。が、アレは多分私のことを信仰している。そうでなければ説明がつかない。ことあるごとに「アドバイス」を求めてきては、全くその通りにして、それで新たな「アドバイス」を求めて、の繰り返し。私が飽きてテキトー申し上げても、その「言いつけ」をチミチミ守って、四角四面に、解答を提出して、テキトーに褒めたら(褒めないと終わらない上に泣いたりしょげたり面倒が発生する)、救済されたかの如く大喜びして、大満足で、勇足で帰っていく。バカバカしい、と笑うなかれ、アレはアレで精一杯生きている、と、何故同類・同種・同年齢の×××に、「お慈悲」を差し上げてやらねばならないのだ。もう一度断っておこう。私は×××でもなんでもない。一匹の人間である。醜くつまらない、一匹でしかない。 ただ少し、「理性的」で、「合理主義」で、本質を追い求めて三千里、物分かりの良い子供を「演じる」のが得意で、勉強が好きなだけ。それだけ。人には何か一つくらいは特徴があるものだし、好きな思考傾向(パターン)があるものだし、好きなものの一つや二つあったってなんの違和感もないはずだ。それがただたまたま「勉強」だっただけである、知識欲が人より強いだけで、つまり「強欲」なのだから、(無欲を「良し」とする、と仮定すれば)ともすれば私は悪い人である、枠からはみ出すところが多いのだから、(枠に収まるのを「良し」とする、と仮定すれば)ともすれば私は欠陥品である。良い子、偉い子、真面目な子、これらは全く見当違いな評価であり、そして私は正当な評価以外は一切受け付けない主義であるから、学校の先生のあたりは、アレは少しも×××ていない。全く。あんなのその辺りに転がしておけば×××と大差ない。だから広く大人一般を×××ていない。なんだこんなものか、とその真実を知ったときは×××した。私如きのかわいい「うそ」にコロッと騙されるほど×××なのだ。 要するに、×××ではない、この一点である。だから嫌なことも緊張することも焦ることも不安なことも経験したことがないことも、当然ある。故に「あやめちゃんって何が起きても大丈夫そうだしめっちゃ頼りになるよね」とか言われても心外なのである。あんな目で見られたら、気分が悪くて×××たくなる。大した努力もしたことないくせに。大して脳みそ働かせたこともないくせに。お前は今まで一度だって自分の脳みそのせいで×××したことがあるのか。好きなことを好きと言えなかった経験があるか、口が裂けても「勉強が好き」だなんて、言えるか。「勉強が好き」と悟らせないように生きたことがあるか。「頭が良い」と悟らせないように気を配ったことがあるか。なんでも完璧を言外に求められる者の気を知らずに、言外の「言葉」を耳ざとく聞き分けて生きる人間の気を知らずに、「×××てやる」方の気を知らずに!お前は今まで一度だって自分の脳みそのせいで×××になったことはあるのか。毎日毎日その×××の繰り返しでうんざりしてガッカリしてまた「×××」を知って×××られて×××して×××して×××て×××ている、私の気持ちを、その小さな×××で考え直して、それからその×××ない口を動かしてみたらどうだ。お前の「ソレ」で、×××そうな人間もいることを、自覚しろ、×××のクセに。 私は醜い化け物たるアレが、憎くて羨ましくて、アレが羨ましいなんて信じたくなくて、苦しくて悔しくて、こんな×××しかいないド田舎抜け出したくて、地域で1番賢い学校に進学することを夢見て、それだけを心の支えにして、発狂しそうなのを堪え、なんとか生きながらえた。
X=おはな

と、思っているのは?その原因は?と追求したところ、自意識過剰によるものだと判明した(当たり前)。実際にはあの人も、それほど私を見てはくれていませんヨ。残念こちらは、気付きたく無いところにハッキリフォーカスを当てる自動照準搭載の脳みそであります。醜さ汚さつまらなさ、これら私の恐れた全てが詰まったお得用ボリュームパックは如何ですか?残念でした!自分を追い詰めるのも高めるのも自分、自分を救うのも殺すのも、勿論、自分なのです。神様ごっこは終わりにして、良い加減現象を見ましょうネ。現代アートぶるのは主に私が恥ずかしいから止して、歴とした今を生きましょう。泥臭いのです。そんなモンです。

拝啓、あの頃の荒んだ私へ。 あの頃あなたが気に病んで苦しんでいた「敵」は、その後大きな病気をもたらしました。 あなたがどうしても行きたかった高校に、あなたのその力量で見事合格して、そしてそこに、自らのせいで行けなくなりました。 おかげで3年を無駄にしました。 けれど私にはどうしても必要な、3年でした。 あなたの敵は、あなたが大学生の頃に、大都会・東京の、高層ビル群のど真ん中で、灼熱のアスファルトに熱されて溶け出し、溢れ、弾けて大都会に吸収されました。 あなたが「特殊」かどうか、なんて、あなたが思うほどの問題では、ありませんでした。 ×××(自主規制)だらけになってしまった、「醜き」叫び、「凡庸」にアイデンティティクライシスを発症したあなたの脳みそ。∴あなたの「敵」は、大したことのない、凡庸でしたよ。

親愛なる私へ 大学三年生になった「愚かなる」私より 大学三年の初夏、燕の鳴く頃 敬具

追伸:世間ではすっかりペーパーレスが、「定着」しました。

……きっつ笑。