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スパルタ塾 「進学塾 H塾」 #07 中学1年生 公開お仕置き

入塾当初は川山先生のムチの対象となる中1生は数多くいたが、12月にもなると塾での生活はすっかりと慣れて、何としてでもお尻叩きのお仕置きだけは回避しようと防ごうと思えば防げる遅刻や宿題忘れのような些細な「違反」をしないように心がける生徒が増えたため、授業後の川山先生のムチ棒の出番はめっきりと減ってしまい、授業中ホワイトボード横に吊るされたままの機会が増えてしまっていた。

そのような状況の中、中学1年生の英語の授業が行われていた。川山先生は普段通りに各生徒の宿題を点検すると、机の上を筆記用具のみにさせて10問の小テストを配布した。宿題に準拠した問題であり合格点は8点以上である。H塾での規定により、8点未満の生徒は授業後にムチ棒で1打のお尻叩きが待っている。

小テストが終わると不正防止のため隣の生徒と答案用紙を交換して採点する。答え合わせを行なっている最中に川山先生がある男子生徒の怪しい行動に目を留めた。

「…小阪くん、それってシャーペンよね。 プリントに何を書いているの?」

「あっ、はい、、あの…間違いを直してます…」

「ちょっと見せなさい」

「えっ…⁉︎ あっ、はい……」

川山先生は不正行為を見逃さなかった。小阪くんはシャーペン付きの複合ボールペンを使い、交換相手の橋野くんの間違った答えを二重線で消して書き直していたのだ。川山先生は答え合わせを中断して教卓から2列目に座る動揺を隠しきれない小阪くんの席に歩み寄り、答案用紙を取り上げ、教室の空気は一気に重くなった。

「やっぱりね。スペルミスを書き直して丸を付けてあたかも正解のように細工していたのね。先生が気づかないとでも思ってたの?」

「あぁっ、ごっ… ごめんなさい/// もう絶対にしません…」

「…この答案は橋野くんの物よね。…橋野くんも答案用紙を見せなさい。」

「…はい。」

小阪くんと橋野くんはお互いに口裏を合わせて合格点に届くように不正解の回答を書き直すように仕組んでいた。橋野くんも同様に1問の誤答を書き直して合格点の8点にまで点数を不正に引き上げていた。

「橋野くんもここの綴りの間違いを後から書き直して丸をつけているわね。筆跡が違うから丸分かりよ…?」

「…はい。……書き直しました…。ごめんなさい……。」

橋野くんも言い逃れが出来ずに不正行為を素直に認め謝った。

「2人とも小テストを渡しなさい。不正行為はもちろん0点です。」

2人は「すみませんでした」と言いながら川山先生に答案用紙を手渡した。

「それと今日は授業後、全員残ってもらいます。今は時間が勿体無いので、続きは授業が終わってから話します。…それでは答え合わせの続きに戻るわよ。」

普段とは異なる小阪くんも橋野くんも授業後に具体的に何をされるのか分からずに不安と恐怖で頭がいっぱいになり授業中も集中できずにいた。

「(俺と橋野が罰を受けるだけなら他のみんなが居残りさせられる意味ないよね… こんなパターン初めてだ)」

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