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シーズン序盤のサプライズは? :: TW01-04 :: WSL Watch #003

"WSL Watch"ってタイトルを付けたんで、基本的には「ウォッチするべき○○○○」「注目したい○○○○」みたいな形式でまとめていくのがいいかな? って思ってるんだけど、まずは'TW = Table Watch'、つまり順位表の確認の第1弾、1節〜4節編を。もちろん、まだ4節なんで、どういう順番でどこと対戦したか、巡り合わせによる影響もかなりあるってのが大前提なんだけど、それでもけっこう驚きがあったんで。

早くも全勝のチームがないシーズン序盤

4節終了時の順位は以下の通り。既に全勝のチームはなくなってる。

ここまで負けなしがマンチェスター・シティとチェルシーとマンチェスター・ユナイテッドの3チーム、3勝してるのがマンチェスター・シティとチェルシーに加えてトッテナムの上位3チーム、アストン・ヴィラとブリストル・シティが全敗って状況になってる。

苦戦が続くアストン・ヴィラ

いきなり下位の話になっちゃうけど、やっぱり悪いほうの最大の驚きはアストン・ヴィラの4連敗。昨シーズンは5位で、"WSL Watch #001"の「WSLの全体像」と「23/24シーズン開幕前の勢力図」で触れた上位・中位・下位の分類で言うと中位なんだけど、4位と勝点10差、6位と勝点7差ってポジションだったから、中位グループではちょっと抜けてて上位グループに近い存在で、しかも、22点取って得点王に輝いたレイチェル・デイリー(Rachel Daly)までいるってことも含めて、今シーズンの下馬評はすごく高かったチームなんで。

対戦相手の巡り合わせを見ると、ホームでマンチェスター・ユナイテッド、アウェイでリヴァプール、アウェイでアーセナル、ホームでトッテナムって順番。上位・中位・下位がそれぞれ4チームあるんで、中位のアストン・ヴィラは11試合で4回、つまり約3試合に1回は上位チームと対戦するってことになるから、巡り合わせとしては'普通'と'やや厳しい'の間くらいって言えるとは思うけど。

しかも、開幕戦のマンチェスター・ユナイテッド戦ではスコアレスだった後半74分に退場者を出したにも関わらず先制したんだけど80分以降に逆転されて、アーセナル戦も前半に先制して後半アディショナル・タイムまでリードしてたにも関わらず逆転負けだったりして。どっちも相手が上位チームではあるんだけど、さすがにかなりダメージが大きい負け方だな、と。

ただ、マンチェスター・ユナイテッド戦とアーセナル戦だけじゃなく、ホームで2-4で負けたトッテナム戦なんかの内容を見ても、とてもスコア通りの内容じゃないどころか、どっちかっていうとやや上回ってたくらいの内容だったし、やっぱり力はあるんだとは思うんで、代表ウィーク明けの巻き返しは十分期待できる気はしてるかな。

順調な滑り出しのマンチェスター・シティとチェルシー

どっちも3勝1分で、しかも引き分けたのが直接対決って状況で順調にシーズンに入れたのがチェルシーとマンチェスター・シティ。直接対決はマンチェスター・シティに退場者が2人出た判定が現地でも大きな論争になったりしてたけど、勝点的にはどっちも順調に稼げてる。

ただ、個人的にはチーム状況はけっこう違うって思ってて。FIFAウィメンズ・ワールドカップにたくさんの選手を出してて、しかも、けっこう多くの選手が決勝トーナメントでも上位まで勝ち上がってたから、シーズン・オフが極端に短かったりケガを抱えてる選手がけっこういたって点は共通してるんだけど、チェルシーはけっこう選手の入れ替えがあったけどマンチェスター・シティは最低限だったんで。

細かいことまで書くと長くなりそうなんで書くなら別の記事にしようと思ってるけど、チェルシーは最適解を見つけるのにちょっと時間がかかりそう。それでも最後には帳尻を合わせるみたいに結果を出せてるのはさすがのチーム力なんだけど。逆にマンチェスター・シティは今夏の移籍ウィンドウではアウトもインも1人ずつで、基本的には昨シーズン作り上げたカタチをベースに新加入選手とか成長した若手で着実に積み上げてる印象。もともと明確なプレイモデルをベースにしたチームだけど、シーズン開幕直後とは思えない練度の高さでしっかり結果を出せてるって言えるのかな。

UWCL出場を逃したマンチェスター・ユナイテッドとアーセナル

アーセナルは9月にパリFC、マンチェスター・ユナイテッドは10月に入ってからミッドウィークにパリ・サンジェルマンと対戦して、奇しくも両チームともフランスのパリのチームに負けて(厳密にはアーセナルは同点でPK戦だったけど)UEFAウィメンズ・チャンピオンズ・リーグ本戦の出場を逃したんだけど、その日程の影響もあってか、リーグ戦の開幕直後はちょっと躓いたって言えるのかも。

そうは言っても、開幕2戦で勝点1だったアーセナルもその後は2連勝したし、ケガで離脱してた選手も戻ってきてて、今後は上向きそう。一方のマンチェスター・ユナイテッドも、パリ・サンジェルマン戦はホーム&アウェイで激闘だったんで、ちょっと大変な日程だったけどそれでも負けなしで切り抜けられたのはチーム力の証って気がしてる。ただ、上で触れたチェルシーと同じように、両チームともけっこう選手の入れ替わりがあったんでもうしばらくは探り探りって感じにはなりそうかな。それでも戦力で殴り勝てるだけの選手がいるのが上位チームなんだけど。アーセナルが後半アディショナル・タイムに逆転してアストン・ヴィラに勝った試合みたいに。

グッド・サプライズはトッテナムとレスター

試合単位で見れば開幕戦でリヴァプールがアウェイで、しかも普段はメンズ・チームが使ってるエミレーツ・スタジアムに54000人以上入ったアーセナル戦で勝ったのは大きなサプライズだったけど、4試合の結果で考えると良いほうのサプライズだったのはトッテナム・ホットスパーとレスター・シティってことになるのかな、やっぱり。両チームとも昨シーズンは残留争いをしてたチームってことを考えると。

トッテナムは3勝0分1敗で負けた相手は開幕戦のチェルシー、その後はブリストル・シティとブライトンとアストン・ヴィラに3連勝。クリーンシートはないけど点は取れてて、実はブライトンとアストン・ヴィラには先制されたけど逆転勝ちできてる。前傾姿勢でイケイケで撃ち合い上等なスタイルで、昨シーズンまでのイメージを大きく変えた感じ。マンチェスター・ユナイテッドから今シーズン加入したスコットランド代表FWのマーサ・トーマス(Martha Thomas)はハットトリックを含む4試合連続ゴールを記録、トータル6ゴールで得点ランクでトップ。チームの好調の大きな原動力になってる。

レスター・シティは4節でマンチェスター・シティに負けるまで2勝1分0敗で、ブリストル・シティとエヴァートンに幸先よく開幕2連勝した後に引き分けた相手もマンチェスター・ユナイテッドだったんで、出来過ぎなくらい順調って言えるんじゃないかな。

実はこの2チームは内容的にもちょっと気になる面白いサッカーをしてて、個人的にすごく注目してるんで詳しくは追って別の記事で書きたいと思ってる。いろいろ調べてみると面白いことがあったりしたんで。

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