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'女性審判'と'女子サッカー'。

*イントロダクション「サッカーを語る言葉を整理したい。」はこちら

日本だとJ1の試合を担当したりカタールで開催されたFIFAワールドカップに参加した山下良美、海外だとFIFAワールドカップやUEFAチャンピオンズリーグで主審を務めたステファニー・フラパール(Stéphanie Frappart)に代表されるように、女性の審判員の活躍が目立つようになってきてて、それはそれでメチャメチャ素晴らしいことだと思ってるけど、ちょっとモヤモヤする点もあったりする。それは、審判員の場合は'女性'って呼んでるのに、選手の場合は大人のカテゴリであっても'女子'って呼ばれてること。「選手は'女子'で審判は'女性'っておかしくね? どういう理屈で使い分けられてるの?」って。個人的には、対象が大人であればあれば普通に'女性'が相応しいと思ってるけど。

一般論として、十分大人って言える年齢の人間を'女子'とか'男子'とか呼びたがる風潮は別にサッカー界だけの現象でもなければスポーツ界に限った話でもなく日本社会全体の話で、「サッカーを語るときに使われてるモヤッとする言葉」の範疇は軽々と超える問題だし、それはそれで根が深くて実はかなり重要な案件だと思ってるけど、それを語るために必要な知識は持ち合わせてないんでここでは詳しく言及はできないかな。社会学とかジェンダー問題とか、複合的・横断的な知識と知見が要りそうなんで。そういえば、サッカーとは直接関係はないけど『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』なんて絶妙なタイトルの本があったな...なんてことを思い出したり。ただ、これも「サッカーを語る言葉を整理したい。」の中で考えた「10歳児と留学生」って基準的にはかなり微妙な気はしちゃうかな、やっぱり。

WEリーグのサイトを見ると「WEリーグは、2021年9月に開幕した日本初の女子プロサッカーリーグです」「設立の意義 1. 日本の女性活躍社会を牽引する 2. 日本に'女性プロスポーツ'を根付かせる 3. 日本の女子サッカーの発展に貢献する 4. なでしこジャパンを再び世界一にする」なんて書いてあって、絶妙に'女性'と'女子'を使い分けてたりする。もちろん、これはこれで現状の日本の言語環境を考えると極めて自然かつ真っ当だし、スポーツに限って考えても'女子ゴルフ'だの'男子柔道'だの'女子テニス'だの'男子マラソン'だのって表現は定着してるから、「これからは'男性'と'女性'に変えます」「今後は'男性(の)サッカー'、'女性(の)サッカー'って呼びましょう」って言われても、実際にはかなり難易度が高いことは容易に想像できちゃうんだけど。

ただ、だからこそ、「逆になんで審判員の場合は'女性'なんだろ?」ってのは、わりと好ましいサンプルとしてすごく興味深いし、シンプルにけっこう気になる問題だったりはする。

*分類:あくまでも「正誤ではなく感覚的な問題」「サッカー界に限らない問題」で「素朴な疑問」かな。

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