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Optaのスーパーコンピュータが予想した今シーズンの最終順位は? :: WSL Watch #056

優勝争いから残留争いまでOptaの予想をチェック

Optaのスーパー・コンピュータによる今シーズンのWSLの最終順位の予想を以下の画像でSNSにポストしてたんで、備忘も兼ねて。

3/25のSNSのポストより

もう残り5節って段階なんで、さすがにそれほど驚くようなことにはなってないけど、アーセナルの3位の確率が96.1%とか、ブリストル・シティの最下位=降格の確率が99.5%とか、やっぱりなかなかシビアだな...とか思ったり。ちなみに、全チームの順位で90%を超えてるのはこの2つだけだったりして。

気になる優勝争いはほぼチェルシーとマンチェスター・シティに絞られてて、比率的には6:4くらいでチェルシーって感じ。マンチェスター・シティがアーセナルとの直接対決をまだ残してることを考えると、わりと納得感がある数字だけど。

残留争いに関しては、ウェスト・ハム・ユナイテッドの最下位の確率が0.4%になってたりするんで、よっぽどのことがない限り、残念ながらブリストル・シティってことになりそう。

あと、面白そうなのはリヴァプールとマンチェスター・ユナイテッドとトッテナム・ホットスパーによる4位争い、その下のアストン・ヴィラからウェスト・ハム・ユナイテッドまでのダンゴ状態のところかな。来シーズンのUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)に参加できるのはトップ3のはずだし、降格は最下位だけから、この辺りの順位の違いは大勢には大きな影響はないっていうか、当事者のプライドみたいな部分だけの問題なんだろうけど。トッテナム・ホットスパーまでがトップ・ハーフでフィニッシュできそうで、アストン・ヴィラとブライトン&ホーヴ・アルビオンとレスター・シティとエヴァートンとウェスト・ハム・ユナイテッドは7位〜11位のどこにでもなりそうな感じ。現実的には、残留がほぼ見えた時点で来シーズン以降を見据えた闘いにシフトしてもおかしくないと思うし、上位(優勝及びUWCL出場権争い)も残留争いも現段階で比較的絞られちゃってるって意味では、ちょっと落ちついたシーズンって言えるのかも。良くも悪くも。それでも、最後まで一番余談を許さないのが優勝争いだっていうのは、リーグとしては素晴らしいことだと思うけど。

精度が高いスポーツのデータでお馴染みのOpta

ここで取り上げたOpta(オプタ)っていうのは、スタッツ・パフォーム(Stats  Perform)っていうアメリカの国際スポーツ・メディア企業が配信してるデータ・サービスで、サッカー・ファンにはすっかりお馴染みなんだけど、実はスタッツ・パフォームの日本支部がnoteのアカウントを持ってて、コンテンツを配信してたりする。

その中にある「スポーツデータ 『Opta』とは何か」っていう2022年の記事から引用したOptaに関する説明はは以下の通り。

Opta データとは、サッカー、ラグビー、野球、バスケ、テニス等、世界中のあらゆるスポーツ競技・大会を対象に、試合やチーム、選手等のデータを取得し、世界中に配信している Stats Perform のデータサービスの名称になります。

Opta データの配信先は、スポーツ中継を行う放送局や、デジタル・プリントメディア、プロスポーツチーム、ゲームやAR・VR企業など、様々な業種向けに配信され、活用いただいています。

スポーツデータ 『Opta』とは何か」より

個人的には、Optaってすっかりサッカーのイメージだけど、カバーしてる範囲はかなり広くて、特にアメリカン・スポーツなんかはデータの収集・分析とは相性がいいからアメリカからこういうサービスが生まれたことは納得だし、個人的にはヨーロッパのサッカー界ってちょっと前はデータを毛嫌いする傾向が強かったっていうか、「サッカーはデータで分析できないから面白いんだ」的な謎の理屈がわりとまかり通ってたって思ってて、もちろん、データの精度が低かった時代はそれもあながち間違いじゃなかったと思うけど、でも、精度が高いOptaが登場してからその流れがかなり変わったっていうか、「さすがに無視できないから渋々ながら受け入れつつある」感じになってて、個人的にはすごく好ましい傾向だと思ったりしてる。個人的にバスケットボールとかも昔から好きだから、スタッツをベースにした分析には抵抗がないっていうか、むしろ大好物なんで。もちろん、それだけがスポーツの正しい楽しみ方だとは思ってないけど。

Optaによる今シーズンのシティの分析記事

Optaは『ジ・アナリスト(The Analyst)』って英語のオウンド・メディアも運営してて、その中のコンテンツの一部は日本語訳がnoteのマガジンとして読めたりするんだけど、日本語訳されてない英語の記事で先週、マンチェスター・シティの優勝の可能性について言及した"Star Performers, a Winning Run and Defensive Strength: Why Man City Can End Chelsea’s WSL Reign This Season"って記事が掲載されて、コレがなかなか面白くて。タイトルをざっくり意訳すると「スター選手の存在と連勝を続ける好調さと強固な守備: マンチェスター・シティがチェルシーの連覇を止められる理由」みたいな感じかな。

記事自体は週末のマンチェスター・ダービーの前の段階のモノなんだけど、'A Winning Culture'って項目では現在の連勝について、'Defensive Solidarity'って項目ではリーグ最少失点の守備の固さについて、'Passing and Pressing'って項目ではボール保持率とかパス数だけじゃなくボール奪取に関する長谷川唯の貢献度の大きさも含めたプレッシングについて、'Shaw to Score'って項目では絶対的な得点源であるカディジャ・ショウ(Khadija Shaw)の存在について触れながら、最後に'The Title Beckons?'って項目でマンチェスター・ダービーが乗り越えるべき最初の試練になるけど、まだ全タイトルの可能性を残してるチェルシーとリーグ戦だけのマンチェスター・シティの残り試合数の違いなんかも挙げつつ、「5月に予定されてるエマ・ヘイズ監督のお別れパーティを台無しにするのは十分可能だ」みたいな内容になってる感じ。

『ジ・アナリスト』がWSLを取り上げる機会はそれほど多くなくて、月に数本くらいな感じなんだけど、スタッツとかデータをちゃんと使ってWSLだったりウィメンズ・フットボールだったりを語る(「ちゃんとサッカーとして語る」って言い換えてもいいかも?)メディアの少なさには個人的には前からかなり不満があって、そんな中で『ジ・アナリスト』の記事は圧倒的に面白くて、いつも必ずチェックしてるんで、こういう機会に"WSL Watch"で触れられて良かったかも。

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