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選手の数を「1枚、2枚...」って数える謎。

*イントロダクション「サッカーを語る言葉を整理したい。」はこちら

まずは、「サッカーを語るときに使われてるモヤッとする言葉」で「変だけどそこまで実害は(大きく)ない」レベルだけど、でも、実はけっこう不思議で、なおかつ実益は特になさそうな表現を。

「この監督はディフェンス・ラインは3枚と4枚と使い分けてますから...」

こんな表現を中継の解説等で聞くことが頻繁にあるけど、よくよく考えてみると選手の数を数えるのに'枚'って単位を使うのって意味不明だったりする。当たり前すぎるくらい当たり前に使われてるし、ほとんどの人は特に疑問すら持たずに受け入れてると思うけど。

前に「将棋のイメージなんじゃないかな?」って知り合いから指摘されて、「あ、たしかにそうかも」って思ったりはしたけど、それでも「3人と4人と...」を「3枚と4枚と...」ってわざわざ言う効果やメリット(例えば、イメージがより伝わりやすくなるとか、テキストとしての文字数や口頭で話すのに要する時間の長さ、いわゆる'尺'を短縮できる等)は特になさそうなのに、多くの人が'枚'って単位を使い続けている(ことに疑問すら感じてないらしい)のはやっぱりおかしいな、と。初めてサッカーの中継を観て、「3枚と4枚と...」って表現を聞いたら普通に違和感があるはず。

そもそも、サッカー以外で人数を使う単位に'枚'を使ってるジャンルって他にあるのかも謎だったりするし。例えば、野球で「左バッターが2枚」とか、バスケで「2mを超えるセンターが2枚」とか、音楽で「ラッパーが2枚」とか「コーラスが3枚」とか、聞いたことないし。さらに考えると、サッカーの中継で「今日のXXXXスタジアムには23951枚の観衆が詰めかけました」とか「主審はXXXXX、副審はXXXXXとXXXXX、第4審はXXXXX、VARはXXXXX、アシスタントVARはXXXXXの6枚の審判団が担当します」なんて実況はもちろん聞いたことがない。あくまでも選手の数以外には使わないのかもしれない。

もちろん、「10歳児と留学生」の基準(詳しくは過去記事を参照)もクリアしてない気がするし。'枚'って単位を使う理由とか効果とか、説明できる自信はまったくない。「とにかくそういうことになってるんだよ」って頭ごなしに納得させることはできるかもしれないけど。

もちろん、「そういうことなんだ」って一度解っちゃえば特に難しい話ではないけど、言い換え前の言葉も難しくなければ言い換え後の表現がよりわかりやすかったりイメージが広がったりする訳でもない。でも、初めて聞いた人は普通に違和感を持つ。つまり、そんな表現は要らないし、シンプルに止めたほうがいい気がする。

*分類:将棋のイメージって指摘が正しいなら「比喩系」で、なおかつ「実害はないけど特に実益もない」けど「言い換え可能」ってタイプになりそう。

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