優秀な人は必ずやっている「提案型質問」
はじめに
今回は、ビジネスシーンにおける「質問」の場面において必ず押さえておきたい「提案型質問」について書いて行きます。
仕事は当然一人で進めるものではないため、仕事を進める中で様々な質問の機会が発生します。何気ない「質問」という行為ですが、実はこの質問の仕方を見れば、その人が優秀かそうでないかがある程度わかってしまいます。
優秀とされる人達の多くは、質問の際にこの「提案型質問」の形を取っています。優秀な人達が当たり前のように実戦している提案型質問について見て行きましょう。
提案型質問とは
提案型質問とは、文字通り「提案を織り込んだ質問」の事です。提案型質問には、単なる質問とは異なり、その人の考えに基づく提案が入っています。
通常の質問と提案型質問の違いは以下のような例があります。
■通常の質問
「この仕事はどのように進めれば良いですか?」
「今回の資料はどのような構成が良いですか?」
「次の会議はいつが良いですか?」
■提案型質問
「今回の仕事の進め方に関しては、A, B, Cの3つの進め方があると思っており、○○と✕✕の観点でBで進めるのが良い想定ですがいかがでしょうか?」
「今回の資料ですが、会議の目的と会議時間が30分という点を踏まえると、このような構成が良いと思うのですがいかがでしょうか?」
「次の会議ですが、明日の〇時でいかがでしょうか?難しければ、明後日の△時への振替も検討します。」
自分が質問を受けた立場だとして、明らかにその印象と答えやすさが違うのではないでしょうか。
通常の質問がただ漠然と質問しているのに対して、提案型質問は、本人の1段踏み込んだ思考が提案の形で入っています。そして、この差がビジネスパーソンとしての大きな差を生み出します。
提案型質問のメリット
なぜ提案型質問が重要になるのでしょうか?
提案型質問には大きく以下の3つのメリットがあります。
・メリット1:相手からの回答が早くもらえる
・メリット2:望ましい方向へ結果を導きやすい
・メリット3:考える力・伝える力がつく
提案型質問のメリット1:相手からの回答が早くもらえる
「質問した相手からなかなか回答が返ってこない。。」
ビジネスパーソンであれば誰もが経験したことがあるでしょう。特に相手が忙しい人の場合、質問に対して「後ですぐ回答します」と言ってもらったきり、1週間経っても回答がなく、改めて催促すると言うようなケースも多いと思います。
しかし、「相手からどれだけ速く回答をもらえるか」、この速さがその人の仕事の速さに直結します。
相手からの回答が遅くなる理由の多くは、相手に考えさせてしまっているためです。漠然とされた質問の要点を明らかにして、その上で結論を出さなければいけない。このハードルが回答者の腰を重くしてしまいます。
質問の内容に対して「後ほど検討して回答します」という返答をもらうのは基本的に避けるべきで、その場で回答をもらえるのがベストです。
そのためには、質問の論点を先回りして検討しておき、提案を入れながら、質問の核となるポイントや最後の判断だけ相手に委ねる形にする事が重要です。
Yes/Noで応えられるクローズドクエスチョンの形にできれば尚良く、その場で回答をもらって次の仕事を進める事ができるでしょう。
仕事の遅い人が、相手からの回答を待ってタスクをペンディングさせている中、優秀なビジネスパーソンは提案型質問を駆使して自分の欲しい回答を早期に手に入れ、仕事の遅い人とは圧倒的なスピードの差で次の仕事を進めて行きます。
提案型質問のメリット2:望ましい方向へ結果を導きやすい
質問の場面において、回答が遅くなるのと同時に最も避けるべき事は何でしょうか?
それは、的外れな回答をもらってしまう事です。特に意思決定者への質問の場合、その回答を元に次の仕事を進めて行く事になるため、的外れな回答をもらってしまうとその後の仕事に大きく響いてきます。
通常、意思決定者は忙しく、限られた時間の中で多くの意思決定をしていく必要があります。このような状況において、情報も少なく、論点も整理されていない漠然とした質問にその場で回答しなければならないとすると、当然その回答の質も低くなってしまいます。
「一見こっちが良さそうに感じるけど、よくよく考えると後から大きなデメリットが出てくるので、やはりこちらで行きたい」という場合は、その論点を整理し、自分の推奨案のメリットを正しく提示しながら質問する事で「最初こっちが良いかなと思ってたけど、なるほど、じゃあそっちでいこう」と自分の望む方向での回答がもらえる可能性を高め、その場の直観での的外れな回答をもらう事を避ける事ができます。
単純に質問するとどの方向に転ぶかは相手次第になりますが、提案型質問にする事で、望ましいと思う方向へ結果を導ける可能性が大きく上がります。
提案型質問のメリット3:考える力・伝える力がつく
提案型質問のある意味最も強力なメリットが、提案型質問を習慣化する事で考える力・伝える力が付くという点です。提案型質問をするためには当然、通常の質問より頭を使う必要があります。
自分が持って行きたい方向はどの方向か
この内容に対して、相手が最初に思考する事・気にするは何か
何を基準に相手は判断を下すのか(何を満たせば相手がすぐに意思決定を下せるか)
どのような論理展開・伝え方で提案するのが最も良いか
など、提案型質問においては、事前に様々なポイントを考慮する必要があります。いきなり上手く出来るわけでは当然ありませんが、このような日々の訓練の積み重ねにより、考える力・伝える力は強化されて行きます。
事前に準備して質問できる場合はまだ良いのですが、対話の中で瞬時に質問をしなければならない場面は当然でてきます。普段から提案型質問を通してこの訓練を積んでおくことで、そういった場でも瞬時に良い提案型質問が作れる、いわゆる、ゼロ秒思考の領域に近づいていく事ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
提案型質問について簡単に紹介して来ましたが、改めて周りの人をよく観察してみると、漠然と質問をしている人、提案型質問をしている人で如実にその差が出ている事に気付くと思います。
仕事が速く進む上に、望ましい結果を導きやすく、自身の思考の訓練にもなる。この一石三鳥とも言える「提案型質問」を日々の仕事や日常生活においても、上手く活用して頂ければと思います。
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