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丸投げから見える職場

あらゆる職場に上司と部下の関係がある。基本的に上司の指示に従い部下が業務をこなす。日常の定型的な業務の場合、部下は自律的に業務をこなし、上司はそれを管理・監督する。この状況は定常状態であるため、いわゆる「丸投げ」は起こらないし、起こりようがない。

丸投げが起こりやすいのは、毎年の予算や業務計画を策定するような未来を考える作業である。部署で担当している業務の大部分は定型的なものが多いが、会社の方針に基づき、新たな業務への展開や従来業務の改善のため、計画策定には工夫が求められる。

このような場面で部下に丸投げする上司が発生しやすい。部下に新しい仕事を覚えてもらうことが目的であるような、大義名分らしきものがあるが、部下からあがってきた原案の添削指導の場面で上司のレベルが問われる。

最も良くないのは、原案をフルモデルチェンジのごとく修正指示を出すケースであり、丸投げの際に指示が大幅に不足していることを示している。かといって、原案に概ねOKを出せば良いわけでもない。本当に内容がOKなのか、内容を精査せず適当にOKを出しているのか判断がつかないため注意が必要である。

それでは、上司が原案をあらかた作成した後に部下に加筆修正を依頼する丸投げはどうであろうか。原案作成後の丸投げなので、もはや丸投げとよばないかも知れないが、ここで部下が自由に加筆修正できるかどうかが良否の分かれ目である。自由に加筆修正できると、上司と部下が自由に意見を言い合える風通しの良い職場であることを暗に示している。部下が忖度しながら加筆修正しなければならない場合は大変問題の多い職場である。

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