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タダ乗りからの脱却と買い支え文化#65

タダ(無料)は正義だ。

デフレ時代に生まれた私はこうした価値観がはびこる日本で、家庭で、地域で育ってきました。特にバブル経済が崩壊に向かう渦中で、一般家庭レベルで言えばそこまでの影響はなかったものの、日本全体として急降下した時期。デフレ時代への入り口とともに生まれ、育ちました。

幼少期の記憶はさほどないのですが、少しずつ自分でお金が使えるようになった時にはすでに物の価値判断の基準が安いかどうかになっていた気がします。高いものは買えない。安いものなら複数買うことができるから嬉しい。高いか安いかというよりも、安いものの方がたくさん買うことができるからいいなという感覚。

物を選ぶのも、必要だから買うではなく欲しいから買うという欲求に任せたものでした。だから物もちが良くない。買うまでのプロセスは一生懸命なものの、買って満足!みたいなところがありました。(今も引きずってる)

そんな若き時代を過ごしたわけですが…ここ数年はホンモノ思考になりつつあります。
日本の職人仕事には純粋に感動するものがあり、我が家の家具(テーブル、椅子など)は全部ではありませんが手作りのものを選んでいます。新築で建てた家そのものも、○○風のものはなるべく排除し、木ならしっかりと木を使う。断熱性能や気密性も高品質に担保された家が建てられる工務店にお願いしました。

その理由の一つは、イニシャルコストはかかるが、ランニングコストは抑えられること。もう一つは、身近にあって気分が良いということ。コスト的にも気分的にも良いことばかりで、結果的に私のくらしの質を高めてくれています。

そして、あえてお金を払って買うことにはもう一つ理由があります。それが、買い支えです。この買い支えについて、この後書いていきます。


〇良いと思うものは買うことで守ること(応援)ができる

前述した職人が作る家具とか、住宅とか。こういったものって量産が難しいものです。規格化、パッケージ化してしまえば機械化が可能となって、大量に安価につくることができます。ただ、そうするためには一つ犠牲にしなければならないものがあります。それは、自然素材です。家具や住宅で使用する木材は規格品にはなり得ないので、一つ一つの個体に合わせた手の入れ方が求められます。その点はやはり機械化には不向きな点。職人技ってどのような条件であっても多様な知恵や経験や技術を駆使して高品質なものを仕上げることですよね。これって機械には到底できないことだと思います。

こうした職人仕事で作られたものを今後も取り入れていくためには、職人が残り続ける(後継者にバトンが渡る)必要があります。そのために私にできることは、商品を買うことなんですよね。買うことが支えになる。そうやって後の時代に残したいものを守るための行動をするしかない。(職人になるという方法もあるけど。。。)

で、これってものづくり(職人仕事)だけじゃなくて、自分の身近なものでも同じことが言えると思うんです。私で言えば、コーヒーとか、音声サービスのVoicyとか。日常に溶け込んでいるものですが、それは作り手と届ける人がいるから、日常に溶け込んでいられるのだと思います。

たまたま今日の夕方にVoicy社長の緒方さんとパーソナリティの木下斉さんの生配信があり、今後のVoicyの事業展開について対談されていました。これを聞きながら、サービスの恩恵を受けている一視聴者(聴者?)としてできることは、まずは課金することだよなと強く思いました。シェアすることも大事なんですが、そんなに発信力がない今、優先順位的には課金だと思います。

〇無料の裏にあるコストに目を向ける

では、なぜ日常に溶け込むことができているのかを考えてみます。要素としては3つありそうです。

1.自分の暮らしや仕事に直結する学びが得られる

パーソナリティの方々の専門分野は多岐にわたっています。政治・経済のこともあれば、ライフハック的なこともある。こころ豊かに生きるためのマインドやエンタメのこともある。本当に幅広い分野です。その中から今の自分の関心ごととリンクした方の放送を聞き、私の実生活でも実践することがあります。自分の人生をどのように考えるのか、どのようにして生活上のやらなければならないことを効率化するのかなど、日常に役立つことが多いことが挙げられます。

2.パーソナリティの言語化能力が高い

それぞれの方の放送を聞いてられるのは、(努力あってのことですが)言語化がきれいだということです。回りくどい言い方だったり、結論が見えない話だと聞くに堪えないのですが、その点Voicyのパーソナリティの方々はみなさん話のまとめがきれいだなと感じています。言いたいことがはっきり伝わるので聞いていられるんだなと思います。

3.音質が良い

結構大事な点ですが、音質が良いことも普段聞きできる要素の一つです。もちろんその時々の収録環境によっては雑音などありますが、パーソナリティさん側の聴者への配慮が感じられ、言葉がしっかりと聞き取れることは重要な点です。

これで驚きなのが、基本は無料で聞くことができるサービスであるということです。今日の生配信を聞いても驚きで、なんと8割強のユーザーが無課金ユーザーとのこと。 #これで回るもんなの

単に無課金で利用していると、良い放送を聞くばかりでサービスのどこにコストがかかっているのか想像しにくいこともあるかもしれません。多分ほとんどの人がWEBサービスのコストについて知らない。(私も知らない)
とはいえ、Voicy社の人件費とかサーバー使用量だけでもかなりのものらしいです。今後ユーザーが増えれば増えるほどにサーバーのコストが増しますし、パーソナリティの放送のストックをしておくのにもコストはかかりそう。

Voicy社は海外投資家からの投資を受けたものの、もらえるわけではないので投資家には返していかなければなりません。そう考えると、やっぱりユーザーとしてできることとしては、買い支えがまず頭に浮かびます(至らない頭だけど)。課金=応援なので、プレミアムリスナーになったり有料放送を購入することがとっても重要で意味のあることだと思います。

〇後出しじゃんけんはずるい

生配信でも言われていましたが、良いものやサービスがなくなったときに「もったいない」とか「なんでなくなったの」とか後から言う人が相当数いますよね。運営に貢献していたのならまだしも、そうでない人が言ってよい言葉ではないと思います。サービスの事業者がどのような心情で店じまいしたのか、サービスを終了したのかということが想像できないものかと思います。

当人ではない外部からは何でも言えるのかもしれませんが、その一言の発言には私は気を付けたいと思います。とにもかくにも、後出しじゃんけんはずるいということを強く言っておきたいです。

自分の生活に欠かせなくなっているものっていくつかありますよね。普段意識しない、とてもフラットに溶け込んでいるものもあるので、改めて自分の暮らしに欠かせないものを考える機会になりました。そして、やっぱり自分が好きなことを好きなままで居続けるためには、応援(課金)が欠かせないんですよね。コーヒーもどんどん値上がりしています。だけど、美味しくコーヒーを飲み続けたいのなら、好きなお店がなくならないように利用する必要があるし、何が自分にできるのかを考える必要があります。課金がすべてではありませんが、できる範囲で主体的に向き合っていかないと前述の後出しじゃんけんになり兼ねないので、今できることをやっていきたいと思います。
↓過去にコーヒーについて書いています。良かったらお読みください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。ゆうちゃんでした。

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