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「会いたい人」は、いますか?

私は、いつもこういったところで、偉そうなことを言っているので、さも「しっかり」した人格だと勘違いされることが多いような気がします。
私には、ひとつ下の従妹がいます。もう10年近く会っていませんが、彼女こそ、しっかりしています。子どもの頃、母親の元でなく、家庭の事情で祖母の家で育ち、高校を出てパンの会社に就職。そこで働きながら、夜間の大学に通い、みごと半官半民のような企業へ転職を果たしました。まもなく、彼女は自身でローンを組んでマンションも購入しました。休みの日は、銀座等でひとりで遊びに出かけていたようです。いわゆる独身貴族です。
叔母は、彼女に結婚してもらいたくて、何度か見合いもさせたようですが、いかんせん、彼女は優秀過ぎたようです。なんせ、田舎の高校とはいえ、県内トップの学校で、オール5です。しょっちゅう図書館に通っていたので、知らないことはないのではないかと思うほど、「教養」が溢れていました。スポーツも得意で、ソフトボール部でピッチャーをしていたようです。
彼女に比べると、私の「勉強好き」は、たかが知れています。せいぜいが教科書に載っていることしか、頭にありません。
アホなので、ちょっと見た目の良い人にはすぐにクラっとしてしまいます。一方、彼女はもちろん、外国のイケメンアイドルに、はまったことはありますが、いざ現実に惹かれる男性は「面白い人」のようでした。お笑いという意味ではなく、おそらく「博識」の人という感じがしました。見た目はあまり気にしない様子でした。私と対照的です。
以前、メル友感覚で、メールのやりとりをしていたこともあるのですが、「アリ」と「キリギリス」ほどの差が生じてしまったので、話が噛み合わなくなりました。特に私が年甲斐もなく、若い男の子に夢中になる話を書くと、彼女はドン引きするわけです。
どちらが「アリ」で、どちらが「キリギリス」かわかりますよね。もちろん、彼女が「アリ」で、私が「キリギリス」です。
まもなく、息子の誕生日です。私はささやかながら、「誕生日には、何か美味しいものを食べに行こうね」と声掛けしているのですが、「(自分は)何もお祝いしてもらうほどのこと、してないよ」と沈んでいます。
そんなふうに思わせてしまう、この母(私)は、どれだけ、クズ母なのだろうと私まで、へこんでしまいました。
Wi-Fi環境も提供できていないし、理系の院生ゆえ、研究で帰りが遅いと、もっと早く帰れないのかとブウたれます。息子はもともと身体が細いのに、最近益々細くなっています。母は、心配です。
従妹は、今も多少給与が下がったかもしれませんが、着実に事務系の仕事を続けていると思います。経理のエキスパートです。
一方、私は資格こそ集めましたが、ほとんどキャリアがありません。もはや事務系の仕事は無理です。60代の新入社員、オフィスレデイならぬ、Too Old Ladyに事務のチャンスはありません。アフターフェスティバルです。
いよいよ、私もコーナーに追い込まれました。息子だけが、心の支えかもしれません。
「愛してる」とか言われてみたい気持ちもなきにしもあらずですが、私は「愛」は、相手を「大切」に思う心だと思っています。
もちろん、「自分が1番」大切で良いと思います。本当によけいなお世話ですが、従妹には自分以外に「大切な」人が、今いるのかしらと思います。もちろん、私には「息子」が大切です。
それ以外に「会いたい」人もいます。指1本触れたこともありません。でも、そう思ってはいけない人です。でも、「大切な」人や、「会いたい」人がいるからこそ、生きている張り合いもあるのかなとも思います。
負け惜しみのようですが、私は私の歩幅で歩いて行くしかありません。焦らず、怠けず、時々休みながらも、地味に生きて行こうと思います。

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