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自分で自分にかける呪い

先日、推しの声優さんのライブ配信を聞いていましたらですね、
その方が、「俺、大事なところでポンコツなんですよ」的なことをおっしゃっておりまして、
しかも、その2時間弱位のトークライブの中だけでも、何度か繰り返しご自身でおっしゃっていたんです。

私の心情として、単純に「あなた、そんなことないでしょ!お仕事でしっかり結果出されているすごい方でしょ!」と言うのは、
もちろんあるんですけれども、まあ、それはそれとしてですね、

「俺=大事なところでポンコツ」っていうのは、
きっと、その方がこれまでのご自身の過去のご経験の中のどこかで学んだ結果、
セルフトークとして、ご自身の中で、繰り返してきたお考え(公式)だと思うんですね。
人に言われて思ったのか、ご自分自身でそう思われたのかは、もちろん知りようがあませんが。

これって、アイデンティティーに関わるビリーフなんですね。
だから、ご自身にとって、とても影響力があり、パワフルなんです。

ビリーフ(belief)というのは、信念とか観念とか訳されるものです。
なんのこっちゃと思われるかもしれませんが、要は、自分自身がそうだ思っている、当たり前に思う、普通だと思っていることです。
色メガネとか、固定観念なんかもそうですね。

福岡出身の私は、「ラーメン=とんこつラーメン」だと思っていました。
ラーメン屋さんに行って、ラーメン頼んだら、とんこつラーメンが出てきますからね、普通に。
むしろ、福岡のラーメン屋さんでラーメン頼んで、
とんこつ以外が出てくると、詐欺だと怒ると思います。

もちろん塩ラーメンや味噌ラーメンがあることは知識として知っていましたが、
「ラーメン=とんこつラーメン」だと、意識することもなく普通に思っていました。
東京に出てきた時に、ラーメン屋さんでラーメンを注文して、
黒いスープのラーメンが出された時には衝撃を受けたものです、、、
私の中の思い込みが、飛び出してきた瞬間でした。

また、福岡出身の私は、「バスは、後ろのドアから乗るもの」だという考えを、
育ってきた福岡でバスに乗った経験から身につけており、
何度もバスに乗って移動することで、その考えを強化していました。
東京で、前のドアから乗るのを知った時には、衝撃を受けたものです😳😳😳

こういった例は、笑い話みたいなもので、そこまで自分の人生に影響を与えることはないかもしれません。

福岡で「ラーメン=とんこつ」だと思っていた私は、
その考えを一般化し、「(いつでも、どこでも、須く一様に)ラーメン=とんこつ」だという公式を持って、生きていました。
無意識に、東京でもどこでも、「ラーメン=とんこつ」だと思っていたのです。

このように、ビリーフは、自分の個別の経験からの一般化なんですね。
だから自分の持っているビリーフという色メガネ👓を通して、
周りの世界を見ているので、
ビリーフに沿わないものについては、目に入らなくなります。

過去のある時点での体験学んだ一般化した考えを、
その後の人生の中で繰り返し繰り返し確認することで強化していく、、、

ビリーフは、ビリーフそれ自体を実現するために働くので、自己予言的とも言われます。
ビリーフそれ自体が正しいものであることを、証拠を集めて、自ら立証するんですね。


では、仮に「人=怖いもの」という考えを持っていたとしたら、どうでしょう。

どこかで学んで身につけたそのビリーフは、そのビリーフ自体を実現するように働きますから、きっと会う人、会う人、怖い人ばかりでしょう。
人に会うことそれ自体が恐ろしいことになって、対人恐怖症気味になってしまう可能性も否定できません。

では、「人=優しいもの」というビリーフを持っていたとしたら、どうでしょう。
きっと会う人、会う人、優しい人ばかりなので、
人と会うこと自体が好きになって、そんな人の周りには、優しい人間の輪ができあがって、人生それ自体も優しく変わってくるかもしれません。

注意しておきたいのが、ビリーフそれ自体に、いいも悪いもないということです。
リミティングビリーフとか言われることもありますが、単に、過去の経験からの一般化で、自分自身が身につけた生きていくための戦略なんですね。

自分自身のために身に付けてきたものに、いいも悪いもないでしょう。
そのビリーフがあったからこそ、これまで受けてきた恩恵がたくさんあるはずです。
その時は役に立っていたんです。まずはそれに感謝です。


ただ、その時は役に立ってたんだけど、
今とこれからについても効果的かどうかは、確認していく価値が十分にあります。

なので、自分のビリーフに対して
「制限を与えるもの」と、「許可を与えるもの」という視点で見ていくことで、
自分の望む方向に対してのとてもパワフルなリソースになります。

ただ、厄介なことは、自分のビリーフ(持っている考え)は、
自分にとって、それが普通で当たり前であるからこそ、なかなか気づきにくいんですね。
なかなかに無意識です。

だから、まずは、自分が今持っているビリーフに気づくことが大切です。
自分が今どんなビリーフを持っているかに気づくことができて初めて、
それを取り扱うことができるようになります。
材料があるから、調理ができるわ!的なね。

そして、ビリーフは、過去の経験から学んで身に付けたものですから、
着脱が可能です。
付け替えたり、変更したりできるんですね。
これまでのものを変更したり、新しいものを身に付けたりして、
自分の望ましい方向に向けて、近づけてくれるようなビリーフを身に付けていきましょう。

私は推しの方を精一杯心で推していますので、
「俺=大事なところでポンコツ」だとおっしゃっているのを聞くと、
だいぶ悲しい気持ちになります。
ホント、目に見える結果を出されているんやから、自分で自分にそんな呪いをかけんでも、、、と。

その方は、声のお仕事をされていて、
私はその方の声を聞くと、嬉しいし、元気になります。
「俺=大事なところは決めるぜ」とか、「俺=やる時はやる奴だ」みたいに思ってくれると嬉しいですね。

さてさて、自分自身はどうでしょうかね、
これは見ていく価値がありますよ。

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