見出し画像

練習の目的

Open Lesson備忘録。

社会的発話を身につける以前の発声を、便宜的に"表のハミング"、と呼んでいる。

かつては誰もが全方位性の発声を使いこなしていた。社会性及び言語を獲得する段で、忘れ去ってしまう発声。
フランチェスコ・タマーニョが死後、解剖された時、特筆すべき点は声帯のタコくらいのものだったという。
わたしたちの楽器は、元来極めて平等なのだった。

表現が豊かである、ということはどういうことか?
ロボットのダンスと人の踊りの差異は、動作の精緻さにあるかもしれない。言語化不能なレヴェルの微細な運動の連なりが、わたしたちの心を揺さぶり認知の余白を潤す。連続性が、脳が段階として処理できない隙間に滲み沁み渡る。

声でも、同じことが言えるかもしれない。
そのような仮説に基づいて"表のハミング"から、素の声を行き来する練習をする。
いまは5段しかない階段を、7段に、10段に。

すべての人が、それぞれのスタート地点から、一歩でも二歩でも動いていく。
そこには前進も後退もなく、ただ変化だけがある。そのことが練習の目的である。

❄︎本日のメニュ
warming up
裏のハミングでthe rose
表のハミングを行き来する練習
Say Something
"Let the Lord be mindful of me."(Psalm 4:17 NASB) -主語がIとなることで何が起こるか

#音楽 #歌のレッスン #歌 #コーラス #声 #音 #ピアノ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?