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時間投資とその回収をシミュレーションしてみる

【サマリー】

  • 時間投資が投資回収出来ているのかをシミュレーションしてみた。

  • それなりに回収出来ていた。

  • とは言え、結局はその会社が成長できるかどうかということも分かった。

  • 回収はお金のみにあらず(お金は大事ですが)

【シミュレーションの諸条件】

時間投資も「投資」というからには回収を考えないとあかんよねということで、以下の条件で計算をしてみました。

  • 登場人物
    会社とA of BO(Arranger of Back Office)です。
    A of BO(Arranger of Back Office)については、前回の投稿をご覧ください。


  • 年間報酬額
    ①1年目は、年間12万円(毎月1万円)とします。
    ②2年目以降は、翌年の年間報酬額を、以下の計算テーブルに基づいて直前1年間の売上高に料率を乗じて決定します。毎月の報酬額は年間報酬額の12等分とします(直前の売上高が2,400万円以下の場合は、年間12万円を据え置き)。

 ③例えば、直近1年間の売上高が売上高が5,000万円だった場合、翌年の年間報酬額は25万円になります。

 ④例えば、直近1年間の売上高が売上高が10億円だった場合、翌年の年間報酬額は450万円になります。

  • 解約金
    ①解約時において、その時点までの企業価値向上への貢献の対価として、解約金を毎月の報酬額とは別途で支払います。
    ②解約金は、解約時における直近1年間の売上高に、上述の「年間報酬額 」の②で記載した計算テーブルに基づく料率を乗じた金額とします。
    ③例えば、解約時における直近1年間の売上高が23億円だった場合、解約金は940万円になります。

  • 契約期間と解約
    会社とA of BOは、会社設立1年目の期首から起業家向けバックオフィスサポート契約を締結し、設立5年目の期末日にて、同契約を解約したものとします。

  • 会社の売上高

・会社の売上高に基づく年間報酬額と解約金の金額

  • A of BOが求めるべき利回り(投資がペイしているかを検討するための利回り)
    スタートアップへの投資なので、当然全く回収できないという可能性もあります。そのようなリスクを考慮した率として、VCがスタートアップへの投資において利用する要求収益率を参考にしました。以下リンク先によると、2018年の調査におけるVCがスタートアップへの投資において利用する要求収益率が30-55%とのことなので、間の値である42.5%をA of BOが求めるべき利回りとします。

  • A of BOの投資額
    投資額について、A of BOが通常の業務委託契約であればもらうべき金額と実際にもらっている報酬額の差額を投資額とします。
    「A of BOが通常の業務委託契約であればもらうべき金額」を算定するために単価と工数を以下とします。
    ①単価:1,800円
    以下のWebサイトにおける、2022年01月05日更新の経理・人事・総務のアルバイトの時給の平均が1,647円でした。それを概ね1.1倍して1,800円を単価としました。
    https://www.e-aidem.com/clp/pay/0113_pay.htm
    ②月の平均稼働時間:16時間
    概ね週4時間程度の稼働を想定しました。
    結果、投資額は以下のようになりました。5年目がマイナスになっているのは、報酬額がもらうべき金額を上回っているためです。

【シミュレーション結果】

額面ベースでの結果はこうなりました!

185.2万円の投資益が出た、わーい!と言いたいところですが、利回りが全く考慮されていません。利回りとして採用した42.5%を割引率として、投資額と解約金について現在価値に割り戻して比較をしてみます。各年度の投資額はその年の真ん中、解約金は5年目の末日に発生したものと仮定します。
その結果が以下になります。

よっしゃー!プラスだ~。
現在価値だとなんか数値感分かりづらい気がしたので、将来価値でも比較します。

【当然、全然投資回収出来ないことも】

上記の条件では42.5%という想定利回りにも負けず無事回収出来ましたが、もちろん会社の業績が伸びなければ投資回収は出来ませんし、逆に売上が爆伸びすれば、さらに大きく回収できることもあります。

5年目の売上高が伸びなかったケース
5年目の売上高が爆伸びしたケース

【投資回収も必要ですが、、、】

もちろんお金を回収できるかできないかは重要ですが、スタートアップでの経験、副業キャリアの見える化など起業家向けバックオフィスサポート契約をやるメリットは他にもあります。ぜひともいろいろな判断軸で実施を検討していただけると個人的には嬉しいです。

では、また折を見て書かせていただきます。


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