天職への道⑤/人生の目的【解決編】
訪問販売の会社を僅か3か月で退職してしまった。
私はすぐに転職はせず、パワハラのきっかけとなった運転の未熟さを克服するために、ちょうど募集していたお中元配達のアルバイトを始めた。
夏の猛暑の中の配達はかなりきつかったが、約1ヶ月間のバイトで運転スキルをかなりアップさせることができたのではないかと我ながら感じる手ごたえだった。
お中元のアルバイトが終了したら、モデルの仕事もやってみた。モデルと言うと聞こえはいいが、ほとんどがエキストラ 笑
一度だけCMに出たことがあるのだが、残念ながらそのCMを見たことがない。
そして、私はこのモデルという仕事は向いていないことがやってみて分かった。なぜなら監督が納得する映像が撮れるまで、何度も何度もやり直しが続くのである。それがどうも性に合わないし、また収入にもなかなか結びつかないのも大きな要因の一つだった。
高校時代から映画が好きで、劇団に入って俳優になることも一時は、夢見たこともあったが、このモデルのアルバイトをしたことで、完全に夢を諦めることができたであった。
『人生の目的』を解決するきっかけとなった転職
その後、健康食品、健康機器、自然派の化粧品などを扱っている法人で営業部長をされている知人からお声をかけていただき、私は社員として2度目の就職をしたのである。この会社へ就職することが、後に『天職』に出会うことにつながるとは、当時夢にも思わなかった。
私は幼少期、小児喘息で身体が弱かったこともあり、仕事柄健康に関する知識がどんどん増えることが楽しく、自分にとても合っているように感じた。
またお客様が購入した健康食品のおかげで、健康を取り戻すことができたお話を伺ったり、感謝されるとすごく嬉しかったし、人のお役に立てることがやりがいにつながることを実感していったのである。
今こうして当時を振りかえってみると、当然のことながら当時は気づかなかったが、自分に向いている職業の特性として、
『知識が増える』
『誰かのお役に立てる』
『直接人に喜ばれる』
という3つのポイントが必要であったことに気付いたのである。
やりがいのある職業に出会えたものの、給料は固定給で安定していたが満足できる金額ではなかったので、許可を得て週末や早朝、夜間などいくつかアルバイトもした。
当時社員をしながら行ったバイトは、以下である
・コンビニのレジ
・ホテルの結婚式での配膳
・ポスティング
・焼肉屋のキッチン
「ナポレオン・ヒル・プログラム」との出会い
ある日、見知らぬ方から私の携帯に電話が入った。
電話が入る数日前に、私はあるビジネス誌の中綴じハガキを投函し、資料請求をしたからである。その資料は、後に私の「人生に対する意識」を大きく変えさせた成功哲学『ナポレオンヒルプログラム』であった。そして後日お会いする日時を決めて電話を切った。
約束の日お会いした営業の方は、車の元ディラーで、現在はナポレオンヒルプログラムを販売する代理店の副社長であった。
ファミレスでお会いし、プログラムのことや営業マンの方ご自身の体験談などをお伺いし、気づいたら6時間も経っていた。利息を含めて70万円のナポレオン・ヒル・プログラム『PMAプログラム』を5年払いのクレジットで購入したのである。
当時の私には、高すぎる買い物であったが、営業マンとの会話の中で何度も何度も多くの気づきを与えられ、自分にとって大きな成長ができる教材であると直感したからである。
ファーストステップ「明確な目標」で意識改革に成功
『PMAプログラム』は、ナポレオン・ヒル博士が、成功者に共通する資質や考え方、行動などを検証していくうちに、 その根底に流れる原理を「PMA (Positive Mental Attitude)=積極的心構え」と定義し、 それらを17のステップにまとめあげ、誰でも応用しやすい形に体系化したものです。
また この『PMA』は、人生における成功の秘訣を徹底的に研究し、一連の『ナポレオン・ヒル・プログラム』のなかでも、 根幹となる極めて重要なプログラム。
私は、このプログラムのファーストステップの「明確な目標」で、大きな意識改革をすることができたのである。
なぜなら遺書を書いた高校時代から、私の意識の根底に「人は何のために生きるのか?」この大きな深遠なテーマが、ずっとのさばり続け、時々私の意欲にブレーキをかけてくるものであったからである。
自分の人生において「明確で具体的な目標」を自らが立てることの重要性を知ったことで、私の「人生の目的」探しは終わったのである。
それまでは、人生の目的を知ったうえで、その目的に沿った生き方をしたいと考えていた。しかし、PMAプログラムのファーストステップ「明確な目標」を学び、
“自分がどう生きたいのか“
“私は何をしたいのか”
と考えることができるようになったのである。
人生に対しての視点が変わった。
「人生の目的」が分からず遺書まで書いた人間でしたが、10年の時が流れてようやく自分の中で回答を見つけることができたのである。以後自殺をしたいと思ったことは一度もない。
ファーストステップの「明確な目標」以外の16のステップからも多くの気づきや学びがあり、今となって振り返ってみると新しい考え方(思考)がインストールされたような感覚である。
学んでから25年の歳月が流れているが、決してナポレオン・ヒルプログラムだけではなく両親、兄弟、伯父伯母、従兄弟、先輩、上司、先生、コーチ、著名人、アスリート、書籍や映画などからも学んできたと思う。動物や植物からでさえ学ぶことはある。
ただ、我が人生において、25歳の時期に集中して学べたことは、人生における迷走を終わらせることができる出会いとなったことは言うまでもない。
天職との出会い
大学進学を諦め、これまで迷走するフリーターだったが、ナポレオン・ヒル・プログラムと出会ったことで、「健康産業」を職業の軸にしていくという感覚を持つことができた。
そして1年後の26歳の時に、私は仕事を通じて天職となる「整体」に出会うこととなった。1年前に芽生えた芯は、自分の中でさらに根を張り始めていった。
整体学校を卒業し、人に整体をし始めた時は緊張の連続でもあり、自分が年上の方々から先生と呼ばれることにも違和感もあったが、徐々に整体の仕事に嵌っていった。
なぜなら、人体の仕組みは奥深く、また人それぞれでもあり、学んでも学んでも尽きることはなく、整体法の取得にも鍛錬が必要であり、簡単には習得できない技術も多々あった。
そして、「20年来の腰痛から解放された」とおっしゃってくださるご婦人に感謝されたり、多くの感謝の言葉や笑顔に出会い、人に喜ばれ、やりがいがどんどん膨らんで自分の中で成長していった。
そして整体と出会って27年の歳月が経った…