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カナダの大学の紹介

アメリカのGoogleでエンジニアをしているJustinといいます。僕自身カナダ留学を経てアメリカで就職をしました。海外の大学に留学するにあたり、どこの大学が自分に合っているのかを見極めるのは非常に大切だと思っています。QS World Universities Ranking (引用1) などの総合的な大学のランキングも参考になると思いますが、各々の学校の特徴や特色はその土地に住んだことがないと分からないことが多いと思い、このnoteを書くことにしました。

2024年版のQS TOP UNIVERSITIESの調査 (引用1) によると、カナダトップ3の大学は以下の大学となっています。他にも有名な大学は色々あるのですが、今回はこの3つを紹介したいと思います。


  1.  University of Toronto (トロント大学)

  2. McGill University (マギル大学)

  3. University of British Columbia (ブリティッシュコロンビア大学)

トロント大学

トロント大学(セント・ジョージキャンパス)

総合的に見てカナダでトロント大学の右に出る大学はないといっていいほどの有名な大学と言えます。4名のカナダ首相を輩出し、12名のノーベル受賞者を育てたカナダ指折りの大学がトロント大学です。(引用2) トロント大学は名前の通りオンタリオ州の広域トロント地域に位置しており、キャンパスが3つあります。1番有名なキャンパスは歴史のある建物が多いセント・ジョージキャンパスで、トロント市内の中心部に位置しています。残る2つのキャンパスはトロント近郊のミシサガとスカーボロにあります。学部留学をするのであれば、大半の学生生活はダウンタウンのセント・ジョージキャンパスで過ごすことになります。

あくまで私個人の意見ですが、トロント大学の特色は総合力だと思います。人文系の学問から理工学まで、ほぼ全ての学部においてレベルが高い印象があります。特にMacLean'sの全体研究費を教員数で割った平均研究費では2位のMcMaster大学の400,000ドルと大差の550,000ドルを記録しています。(引用3)

特筆すべき事項は近年話題のAIの基幹技術であるDeep Neural Networkの研究の第一人者といわれるGeoffrey Hinton氏は長年この大学の教員をしていることでしょうか。さらに筆者の友人であるこの大学の卒業生曰く本学の数学科も潤沢な資金を背景に広域にわたる研究テーマにおいて非常に有力な学科であると学術界では認識されています。

また、理数系に限らず人文系においてもカナダで1番評価されている大学と言えばトロント大学だと私は思います。なので、分野に限らずトロント大学は非常に有名で就職にも強い大学であり、特に将来AIやコンピューターサイエンスや理数系を勉強しようと思っている方におすすめします。

追記ですが、トロント近郊の大学、ウォータールー大学は日本ではあまり知られていないかもしれませんが、IT企業が集うベイエリアではよく知られたエンジニアリングと就職に強い大学です。この大学のことは別の機会に記事にしようと思います。

マギル大学

マギル大学のあるモントリオール市(夏)

私の以前の記事でも紹介しましたが、私の母校であるマギル大学はカナダ東部のケベック州モントリオールに位置し、市内の中心部にキャンパスを構えます。14名のノーベル賞受賞者を育て、3名のカナダ首相を排出した大学である本学 (引用4)の特色の一つはフランス語圏にあることです。フランス語圏であるケベック州では基本としてフランス語の教育が重視されていますが、マギル大学の授業は主に英語で行われます。

卒業生としてのバイアスが入っているかもしれませんが、私の個人的な意見では、マギル大学の特徴は勉強の強度だと思います。卒業は大変でしたが、その分鍛えられます。カナダ以外にも色々な国から優秀な学生が集まってしのぎを削って勉強をするため、非常にCompetitiveな環境でした。一つのクラスごとに1番上の成績であるAを取れる学生は比率で決まっているので、その比率を大きく超えてAをつけるクラスは非常に少なく、その分優秀な学生が限られた成績をめぐって必死に勉強する環境だったと僕個人は思います。そういった環境に身を置くことが嫌ではない方には私は本学をお勧めします。

マギル大学は伝統的に医学部と法学部が有名で、ノーベル賞生理学部門では累計5名の受賞者を輩出しています。また、近年のAIブームにおける第一人者であるJoshua Bengio氏が率いるMILAと提携し、機械学習や強化学習を勉強したい学生にとっては素晴らしい環境が整っています。

卒業後の進路ですが、機械学習ブームに乗ってGoogleやFacebookがモントリオールに研究所を建てましたが、全体的に比べるとトロントやバンクーバーの方が就職はしやすいと僕は思います。私の友人の間ではエネルギー産業や雪による影響でCivil engineering(土木工学)系の会社に就職する人が多く、卒業後の働きやすさという観点で見ると、他の2つの大学の方が恵まれている印象です。

ただ、冬のモントリオールは非常に寒いので(夏は素晴らしい気候ですが)、その部分を覚悟する必要が私はあるかなと思います。

ブリティッシュコロンビア大学

ブリティッシュコロンビア大学 (University of British Columbia)

バンクーバーの近郊に位置するブリティッシュコロンビア大学(UBC)は2名のノーベル賞受賞者を輩出し、3名のカナダ首相を輩出した歴史のある名門校です。UBCの特色は恵まれた立地の恩恵を受けた環境学や生物学に強いことが挙げられます。US Newsが発表した世界大学ランキングでは、動物科学部門で世界8位、環境科学部門では世界13位となり、他のカナダの大学と比べて頭一つ抜けている印象があります。

日本から留学をするとなると、新しい環境に適応できるのかどうかということは留学をする上で一つの懸念となります。特にモントリオールなどのフランス語圏で、全体的に日本と比べても非常に寒い場所は、多くの人にとっては適応するのに時間がかかるかもしれません。

その点UBCが位置するバンクーバーはカナダ全土で見ても最高の立地にあると言えます。雪も他の場所と比べるとそこまで降らず、夏は暖かく過ごしやすい環境がバンクーバーにはあります。天気のみならず、カナダ全土でもアジア系移民が多く、ご飯も(他のカナダの都市や特にアメリカの都市と比べると)美味しいことで知られているので、留学生にとってはもっとも適応しやすい環境だと私は思います。ただ、その分家賃が他のカナダの都市と比べると高くなることを事前に知っておくといいかもしれません。

UBCは商学部(Sander School of Business)が他大学と比べて強く、数々の著名なCEOを輩出しています。 航空会社のWestJetのCEOであるGregg Saretsky氏た製薬会社のPfizerのCEOであるHenry McKinnellを輩出した本学は、ビジネスを勉強したい学生にとって魅力的な学校と言えるのではないのでしょうか。恵まれた立地と過ごしやすい環境で、日本にも近く、週末に遊ぶところが多いバンクーバーで留学生活をしたい方にUBCはおすすめです。

引用

1) https://www.topuniversities.com/university-rankings-articles/world-university-rankings/top-universities-canada
2) https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_University_of_Toronto_alumni
3) https://education.macleans.ca/feature/canadas-best-universities-by-total-research-dollars-rankings-2024/
4)
 https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_McGill_University_people


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