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【書評】文系がいなければイノベーションは生まれない「FUZZY-TECHIE(ファジー・テッキー)」S・ハートリー著

「文系はオワコン」 

テクノロジーが世界を激変させている今、文系の肩身はどんどん狭くなっています。  

日本は国立大学の文系学部に対し、規模縮小や統廃合を求める一方で、プログラミングの必須化など理系教育の充実化を進めています。 

しかし、テクノロジーの力でイノベーションを起こした起業家の多くが、実はビジネスの着想を文系科目から得ていたことが明らかになっています。 

今回ご紹介する「 FUZZY-TECHIE(ファジー・テッキー) 」では、「テッキー(理系)」の技術と「ファジー(〝曖昧な〟文系)」のアイデアを融合させることで、人間にとってより豊かなイノベーションを生み出すことが出来ると主張しています。 

リベラルアーツを学ばなければ、世界が何でできているかを知り、問題解決すべきことが何なのかを探求することが出来ません。イノベーションを生み出すためには、文系は不要どころか無くてはならないものになっているのです。 

リベラルアーツ…人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野を横断的に教育する科目群 

現在のイノベーションも、文系 × 理系で生み出されてきた 

「テッキー」の代表格であるスティーブ・ジョブズは、かつて「テクノロジーだけでは十分ではない。リベラルアーツや人文科学と結びついて初めて、心がうきうきするような結果が生まれるのだ」と人文・社会科学の重要性を語ったことがあります。 

本人自身も、書道の授業で学んだことをマッキントッシュンの美しいフォントに活かしています。 

また、Facebook創業者であるマーク・ザッカーバーグも心理学を学び、人は相互につながり合いたいという欲求を理解してFacebookというサービスを生み出しました。 

また、写真共有サイトPinterestの創業者は政治学を専攻し、Airbnbの創業者は美術の博士号を取得していたりと、多くの起業家がリベラルアーツを学んでいたことが分かります。 

テクノロジーが民主化している 

新たなサービスを始めるには、これまではシステムを独自に開発しなければならないという技術的なハードルがありました。 

しかし現在はAWSなどの様々な外部サービスを使うことが出来るため、それらを組み合わせつ事で手軽にサービスを作ることが出来ます。 

タクシー配車アプリのUberも、地図情報・メール配信・決済など多くのサービスを外部の技術を利用しています。 

技術的なハードルが下がっている今、「どのように作るか」よりも「何を作るか」を考える文系的な力がますます重要になっています。 

プログラミングの仕事は新興国に移される 

プログラミングスクールに通ってエンジニアに転職しても、情報化社会で生き延びていけるとは限りません。

現在中国やインド、ナイジェリアなどが国を挙げてプログラマー育成を推進しています。 

製造業が生産コストを下げるために工場や労働力を海外に移したのと同じように、プログラミングも将来的に海外に移り、コストがどんどん安くなっていくことが予想されます。 

こうした意味でも、技術さえあれば安泰。というのがいかに危険な考え方かが分かるかと思います。

技術を使って、何をしたいのか

ITスキルに関する教材や資格がどんどん増え、スキル習得のハードルは低くなっています。

私自身も、今年データサイエンティストの資格を取得しました。

また、今後SQLやPythonの資格取得も計画しています。

しかし、これはあくまで手段であって、決して目的ではないという事をこの本を読んで改めて気づかされました。

企業にもパーパスが求められるように、私たち自身も技術を使って何がしたいのか、何が出来るのかを考えていかなければ技術は無駄になってしまいます。

来年は自分がやりたい事を見つけるために、哲学やデザイン、アートの勉強にも挑戦してみようと思います。

皆さんの技術を学ぶ目的や成し遂げたい事があれば、コメントで教えてください!

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