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『マダム・イン・ニューヨーク』感想

ネタバレしてます。


「マダム・イン・ニューヨーク」
インスタで「女性が輝く映画✨あなたもきっと励まされる✨」と紹介されていた。輝いてないと自覚している女性なのでとりあえず見てみた。
これまでは映画といえば洋画であり、インド映画は見たことがなかった。だいたい3時間と長いから億劫だったということもある(この映画は2時間強)。

主人公はインドの母親。英語ができないことで家族から馬鹿にされていた彼女が、短期間ニューヨークで英会話教室に通い、人としての尊厳と自信を取りもどす。
それだけの、単純な映画である。
だが、「女は家」「働いていない者は馬鹿にしていい」という風潮が、映画の中で主人公を傷つけるシーンは、見ていて辛くなった。特にアジアで顕著な風潮であろう。「女=家にいる」ならば「家にいる=働いていない」わけなので、「女=馬鹿にしていい存在」という空気になっていくのだ。この映画の中で娘が母親にあたりまくるのは、ただの反抗期だけではないのだろう。主人公も手作りのお菓子を売って収入を得ている。立派な仕事だ。それなのに家族はお遊びの延長だと思っている。

主人公はニューヨークに単身で行き、結構辛い目にあう。私も英語ができないのでめちゃくちゃ共感してしまい辛すぎて一時停止した。このあとハッピーエンドになるだろうに辛い。しんどい。

この映画って、英語ができないところからだんだん上達していく姿を楽しむのだろうが、日本語字幕だとどうしても表現しきれていないのが残念だった。きっともっとたどたどしい文法・発音だっただろうに。

主人公は4週間で英語を完璧に使いこなせるようになるわけじゃない。結構言葉に詰まるし、文法も間違っているところがあると思うし、英語ができない私ですら内容がわかるような、簡単な英語しか喋ってない。それが現実味があっていい。4週間じゃコミュニケーションのスタートラインに立つくらいのレベルがやっとなのだろう。でも、主人公にとって大事なのは完璧な英語が話せるかどうかではないのだ。彼女にとって本当に大事なのは英語が話せるようになることでも恋が実ることでもなく、尊厳を取りもどすことなのだから。

正直、「フランスの男の方が優しいしイケメンだし大事にしてくれそうじゃない?そっちとくっついちゃえばいいのに」と思った。だが、彼女にとってはそうじゃなかったんだろうな。彼女は私ではないから。

これまで映画を見る理由がよくわからなかったのだが、毎日ひたすら映画を見るようになってちょっとずつ自分と違う生き方を理解できるようになった気がする。

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