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青春ラプソデイ。


明石海峡大橋を越えて淡路島に入り、ひと休みした後はそのまま高速道路で淡路島を駆け抜けて徳島を一気に目指した。
徳島は学生の頃に初めて一人旅をした場所だ。

高校生だったあの夏休み、バイト代をはたいてフェリーで旅をした。
ネットもない時代、家にあった全国ロードマップの写真を頼りに鳴門へ行き、観潮船にのって渦潮を見に行った。
まだ鳴門大橋は工事中だった。

淡路島側からいよいよ鳴門大橋に入った。海を見下ろすと今日も潮が渦巻いていて、観潮船がみえる。
運転しながら肩のあたりに鳥肌が立っているのがわかった。ああ、感動してるな。あるいは感激。感激のほうがしっくり来る。オートバイで鳴門大橋まで来れたことが嬉しい。
海、青いな。瀬戸内海か。島が見えるな。人住んでるのかな。風強いな。あーもう橋終わっちゃうな。
橋を渡りきって駐車場に停めて渡ってきた鳴門大橋を眺めた。あの時、作りかけのこの橋を見たのは何処だったんだろう。

暑かったあの夏の日、知らない駅から知らない電車に乗って、バス停を人に聞いて、お土産を買って。夕飯は確か350円のハンバーグ定食。翌朝食べた喫茶店のモーニングは190円だった。
行きのフェリーでは気の良いバイク軍団の大人とトランプをして過ごした。帰りのフェリーでは帰省先から東京に戻ると言う女子大生の“お姉さん“と知り合って後から写真を交換した。全てがなつかしい記憶。
初めて一人で旅をして、知らない街、聞きなれない言葉。
手段は違えど、多分これが旅に出たいオートバイの原点。

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