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2016年6月の記事一覧
大義名分 / Justice
子どもを守るという名目で蚊をやっつける時、
「守るものがある」と言って武装したがる人たちとどう違うのか
自分でも説明ができない
When I kill mosquitoes in the name of saving my kids from them,
I am no better than those people who are eager to arm themselves in
シネマテーク・エクスプレス
長い映画だった
途中、少なくとも三人は席を立った
宇宙へ行った男の話だった
男の後悔は虹を見られなくなったことだった
エンドロールから始まる
まさかの第二の人生
(終わりじゃないのかよ・・・)
彼の絶望は続く
これからのおひめさま
世の中はむかえのあったおひめさまとむかえのこないおひめさまだけでできているわけではない世界、に突入
私が知っているだけでも
迎えになんかこんでいい、こっちから行ってやる、という威勢のいいおひめさまと
おひめさまを待っているおひめさまと
ジェーン・スーを心の師と仰いで40過ぎてエンディング・ノートを早くも書き始めるおひめさまと
そもそも王子だったおひめさまと
毎朝冷水浴びながら3回般若心
冒険
雨の日こそ森へ行くべき
誰もいない森で雨の音をずっと聞いていると
すべての都が死に絶えたような気さえしてくる
緑の葉の上で
水は銀色に変化する
葉を伝って落ちた先に、
とても大きな水たまり
足を踏み入れてどのくらいの深さかはかってみたい
子どもでなくても
穴に落ちてみたいとひとは思う
底が知れないくらい深い穴であれば
落ちてみたいと
ひとは思う
ア・ボーイ・ウィル・ミート・ア・ガール
夜を縫って聞こえてくる生き物たちの音は
その数の数え切れなさを想像すると、とても眠れないだろう
そう考えて彼は都市に住むことを選んだ
ほぼ同じ、あるいは正反対の理由から
彼女は田舎暮らしにとどまっている
ふたりが出会うまでにはもう少し時を待たなければいけない
秘密
男の子は家を出ていく
すこし遅れて女の子も
それを境に洗濯物が極端に減る
あとに残るのは純粋な家事だ
自分の身体の汚れを落とすためだけの洗濯
入浴
掃除
食洗機任せにしていたつけが
今になってやってくる
そしてアリクイが残る
バクが残る
こいつは誰だとお互いに思っていることは
それこそお互いの秘密である
夏至祭のあとで(六月)
雨の向こうに 大きな月
誰かを待つ
時は満ちる
建物の中からたくさんの人たちが
存在
や
喪失
や
感傷
を口にしながら
路上へとあふれ出てくる
気泡(あわ)がはじけて
さよなら と誰か言った
また別の場所ではじければ
ではね と結ぶ
いくつもの声と声と声と声とが
かさなって
ちらばって
水玉
やがて、遠ざかる
それから
雨の音だけが残った
夏至まであと十日とすこし
その日を境にまた日は短くなってゆくというのに
私たちはなんてのんびりしているのだろう
キイチゴの実をもいで口にほうる
晴れていれば洗濯物はすぐにかわく
毎日眠ってばかりいる
子どもの声でフェイドイン
子どもの声でフェイドアウト
春も眠かったが
夏の到来の前もやはり眠いものなのだろうか
この眠りは
人をどこにも連れていかないたぐいの眠りだ
分けてもらった古代蓮が泥の中で再生し