でいごの花の季節に

こんにちは(*‘ω‘ *)

きょうの一曲は、宮沢和史さん(THE BOOM)唄う『島唄』…♪ この曲が沖縄戦のことをえがいていると知って、6月や8月にカラオケで選曲することあります。でも調べたら、でいごの花が咲くのは3月頃、沖縄で海開きがされる頃だそうです。さらに調べたら、沖縄戦は3月下旬から6月22日まで(その後、6月23日が沖縄戦の戦没者を追悼する「慰霊の日」に制定される)、あるいは8月までとされていました。


話を空襲の年まで戻しますと、その年(一九四五年)の八月一五日に日本は無条件降伏をし、戦争が終わりました。それから今日までの七〇年間、平和憲法のもと、いまなお「戦後」と呼べる幸せな国です。ただし、私たちが決して忘れてはならないのは、常に犠牲になり続けた沖縄のことです。

沖縄はいまとくに辺野古の問題が注目されていますね。一九四五年六月二三日が一応、公式的に沖縄戦が終わった日とされています。それでつい先日、毎年その日に行われる追悼の式がありました。翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事と安倍晋三首相の式典挨拶は、その内容のギャップが歴然としていましたね。

沖縄と日本について振り返ってみますと、戦争が終わって、日本全体がアメリカを中心とする連合国に占領されました。それが一九五二年四月二八日、サンフランシスコ講和条約発効によって日本本土がアメリカから独立します。沖縄はアメリカ軍施政下のままに本土と断絶されました。そしてその途端にどうなったかと言いますと、日本国中にあった米軍基地が縮小されました。その代わりに沖縄が基地だらけになったんです。そんな状況ですから、沖縄の人びとはそのあとずっと、日本に復帰さえすれば本土と同じように基地がなくなるだろうという期待もあって、一九七二年に本土復帰を果たします。

しかし、沖縄の人びとのその悲願はまた裏切られました。復帰しても相変わらずアメリカの軍事基地があり続けて、そのままとうとういまに至っているわけです。この問題を、私たち本土にいる連中が無視していっていいんでしょうか?

沖縄の問題で非常に大きいことは、七〇年間続いている日本の平和というものは、沖縄を犠牲にすることによって可能だったのではないか、ということです。

もちろん、日本国民全体が平和憲法を支持したことは間違いないです。それで、この平和がある。それに当時は、共産党や社会党の勢力を合わせれば、自民党は一強ということではなかったですし、自民党内部にも、あの戦争がどんなにひどかったかということを身に染みて経験している政治家もかなりいて、党是としている憲法改正にもきちんとブレーキを利かせることができていました。

警察予備隊や自衛隊はできたけれども、朝鮮戦争やヴェトナム戦争があっても、この憲法への絶大な国民の支持があって、アメリカの戦争に日本を加担させるようなことは強く反対されたし、避けられてきました。

それだけではありません。平和憲法があって日本の平和が保たれたことは確かなのですが、アメリカは朝鮮戦争もヴェトナム戦争も、日本の特に沖縄を基地にして戦争をしました。アメリカは日本人に米軍の肩代わりをさせたくて仕方がなかったはずです。でもそれはできなかった。日本政府は憲法九条を盾に取って自衛隊をアメリカの戦争に参加させなかったからですが、その代わり、沖縄でアメリカを手厚く手厚くもてなしたんです。世界でこれ以上ないほどです。沖縄はその犠牲になったんです。

アメリカとの関係で、沖縄にこれだけの負担を掛けているということを本土の人間はいま絶対に考えなければならないのではないでしょうか。沖縄の問題について本土の私たちが放っておくのは本当に、沖縄の人たちに申し訳ない。日本の平和というものを全体で思考し、認識しなければいけないのではないかと思います。

高畑勲

『君が戦争を欲しないならば』(岩波ブックレットNo.942、2015年)より


でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た

でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た

くり返す悲しみは 島渡る波のよう

ウージの森であなたと出会い

ウージの下で千代にさよなら

島唄よ 風に乗り 鳥ともに 海を渡れ

島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙

でいごの花も散り さざ波がゆれるだけ

ささやかな幸せは うたかたの波の花

ウージの森で歌った友よ

ウージの下で八千代の別れ

島唄よ 風に乗り 鳥ともに 海を渡れ

島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を

海よ 宇宙よ 神よ いのちよ このまま永遠(とわ)に夕凪を

~♪

島唄(1993)/THE BOOM 作詩・作曲:宮沢和史


If you don't want war, repair peace ☆

(君が戦争を欲しないならば、修繕せよ、平和を!― Jacques Prevert)


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