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彼氏に依存して生きた結末

今日は20年以上前の出来事を書こうと思う。あれは私がオーストラリア留学中のこと。
21歳だった私に人生最大にして最初で最後のモテ期がやってきたのだ。

正直今思い返しても、なぜ?としか思えない。
ただのコンプレックスの塊だった、田舎っぺのそこらへんにいる、性別女。

ただ、海外に身を置いたことで、人によく見られたいとかそういういらない感情が削ぎ落とされていて、ただただ毎日が楽しくて楽しくて、そんな日々の中での出来事だった。

自分のことを知らない人たちの中で始まった新しい生活は、「私」をやり直すのにちょうど良かったのかもしれない。

日本人とはまた違う感覚を持ったさまざまな国からの留学生との出会いで、私の毎日は活気付いていた。
お国柄も手伝って、お相手方の美的感覚がズレていたのかもしれないな。(苦笑)

そんな中、私は、英語を勉強しに来ている身として、留学中に付き合ってはいけない人種No.1の「日本人」の男の子とお付き合いすることになった。

仮にその彼をAとする。
Aのことを好きだと言っていた女の子たちは何人いただろう?
天性の人たらしの才能があった彼は、何人もの女の子を魅了し、ダメにした。

こんなやつ絶対いややわ。
それが私の第一印象。

私は最初、Aのことは全く眼中になく、Mくんと言う寡黙で美形の男の子に恋をしていた。

しかし、自分に自信がない私は、彼と幸運にもホームステイ先が近く、乗るバス停が近かったにも関わらず、一言も話しかけられなくて歯痒い思いをしていた。
そんな時に、助け舟を出してくれたのがAだった。

最初、Mくんとの仲を取り持ってあげると言う名目で話すようになった私たちだったが、行動を共にするにつれ、Mくんのことが次第にどうでもよくなり、Aにばかり惹かれてしまっている自分に気づいた。
私もこいつの人たらしにたらしこまれるのか?そう思ったのも束の間、結局付き合うことになってしまった。

Aと一緒にいると刺激的で、自分が自分じゃないような、自分の中にこんな行動力があったの?と自分でもビックリするほど、Aと一緒にいることで何倍も何倍もパワーアップしたような気がしていた。

留学を終えたAはヨーロッパ横断すると言い出して、私を置いて旅立ってしまった。
まだ留学期間を終えていなかった私は、学校が休みになると横断中のAに合流する形でヨーロッパに飛んだ。

今思えばどこにそんなパワーがあったのだろう?
オーストラリアからタイ経由でイギリスに入る。
トランジット含め20時間くらいかけて行った記憶がある。
あの時は何も怖くなくて、ただただAに会いたい一心とヨーロッパを見てみたい気持ちと、ただの若気の至りもあったんだろう。

結局、Aとは日本に帰国後、数ヶ月で別れてしまった。
Aには日本で4年も同棲していた元カノがいて、その存在で疑心暗鬼でぐっちゃぐちゃになって私は負けた。

ここでも私の心の弱さが明るみになり、自分軸がなく、他人に、彼氏に依存して一定期間生きてしまった結果、彼氏と別れて、自分を支えていた柱がボキっと折れて、自分一人では立っていられなくなったのだ。

結局私は自分の柱でなく、彼と言う存在の柱で立っていただけだった。

塞ぎ込み、大泣きして、あの頃の私は惨めだった。
恥ずかしいくらいに取り乱して、Aがこの世の全てだと思っていたんだな...。

最終的には、自分で立ち直ることができて、一人で立てるようにはなったけれど、もうこんな風に人は好きにならない、依存しないと誓った出来事だった。

これもまた、私には必要な経験と痛みだったのだろうなと今振り返ってみて思う。


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