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エピソード大喜利#84 お題:東京都知事選で勝つための公約とは?

いよいよ始まった日本の首都・東京の長を決める選挙。
どこに行っても大衆が押し寄せ、日に日に熱は上がっていっている。

大本命は現職の小池百合子氏。その知名度とトラブルを跳ね返す胆力で世界に誇る大都市の長を長年務めている。
対立候補として名乗りをあげているのが蓮舫氏。
参院議員を何年も務め、舌鋒鋭いしゃべくりで見た人の記憶に強く残るインパクト大の政治家だ。
その他40人以上が立候補を表明しており、7月7日七夕の夜に誰が歓喜の万歳を見せるのか、その結末は終わってみなければ分からない。

オリジナリティ溢れる公約を各候補者たちが声高に叫ぶ中で一際独特の公約を掲げ、都民の注目を集めている候補者が居る。

その候補者は泡沫候補として末席に名を連ねているが、本人は至って本気で当選を目指している。

「東京都民の皆さま、連日お騒がせして申し訳ありません。今回、初めて立候補をさせて頂きました山田太郎と申します」

山田は予算もなく、支援者も少ないとあって自転車で都内を駆け回りながら声を枯らして必死に支援者に自身の考えを訴えている。

「僕には知名度も支援者も地盤もありません。ただ誰にも負けない熱意はあります。東京都を良くしたいという思いがあります。誰よりも強い東京都を愛する気持ちのみで今回の選挙を戦っていこうと思っております」

この候補者の声に耳を傾ける人は少数だが、公約を聞いた者は「よし!それなら投票しよう!」という気持ちにさせられていった。その公約がこちらだ。

「僕の掲げる公約は1つだけです!会話の冒頭の天気の話は禁止」

話を聞いていたごく少数の民衆からは一瞬の戸惑いが生まれたが、徐々に拍手がパラパラと起こり、大きな拍手が最終的には巻き起こっていた。

「これは相手と話すことがない時に間を埋めるために使われる常套手段で、会話の冒頭にとりあえずの繋ぎとして、世界の至る所で使われています。でも意味はありません。

今後、話すことがない時は、<話すことがないです>とハッキリ言うことで相手の距離を縮めることができ、その後の会話も弾ませることにも繋がります。

僕の公約は1つ、天気の話禁止です!!」


ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪