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勇者たち一行~草野球編~

きょうは大魔王を倒す冒険はひと休み。勇者たち一行は河川敷でやっていた草野球の試合に参加させてもらうことにした。そんな息抜きも時には必要だ。

勇者がレフト、センターを戦士、ライトを賢者が守っている。野球未経験の遊び人は外野の後ろに置かれたベンチに座って声援を送っていた。
試合は投手戦の様相を呈していて、両チーム共ピッチャーの球が走り、打者はバットにボールを掠らせることもできずにいた。
外野の守備をしている3人は守備機会が訪れずに試合は進行していた。
レフトの勇者がピッチャーに声掛ける。
『良い球いってるぞ!』
センターの戦士はチームを盛り立てる。
『声出していこうぜー』
ライトの賢者は相手打者とキャッチャーの構えを見て守備位置を微調整している。
しかし一向にボールは飛んでこない。

そんな状態が続き、遂に試合は0対0で9回裏を迎えた。
疲れの見え始めた味方ピッチャーがこの試合で投じた丁度100球目。
初めての失投を相手打者は見逃してくれなかった。
フルスイングで振られたバットの芯にボールは当たり、物凄い音と共にボールは勇者たちが守る外野の遥か上を飛び越えていった。
外野の3人はダッシュでボールを追いかけ、夕日が沈みかけて暗くなり始めた河原のほうへ走って行った。
ここから勇者たちの大冒険が始まった。

勇者がパーティに声を掛ける。
『暗いから足元に気を付けろよ』
戦士ははぐれメタルを探すように目を皿にしてボールを探している。
『さっきの打球の勢いだともっと遠くまで飛んで行ったんじゃないか』
賢者は足を止めて2人を諭すように声を掛けた。
『もうランナーはホームインして、試合は終わってるからボールは探さなくていいんじゃないか』
勇者と戦士が声を揃えて言い返した。
『絶対にあきらめるな!』
見学していた遊び人も加わり、4人は暗がりの中、白球を探している。
その時、勇者立ち一行の前にバブルスライムが現れた。

ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪