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エピソード大喜利#83 お題:家族に免許返納を促されながらも必死の抵抗を見せるおじいちゃん、その理由とは?

「おじいちゃんどこ行くの?」
「スーパーは行く必要ないからね」
「勝手に車に乗らないでよ」

座っていたイスからちょっと立っただけで、家族中から監視され、自由を奪われてしまった私は今年77歳のおじいさん。
世間では高齢者が車の事故を起こす度に免許返納について報道をされ、高齢者から見たら免許返納の議論をしたいが為に、高齢者の車の事故を伝えているようにも見える。

ただ高齢になってくると、記憶力や判断力、決断力が鈍ってくるのは事実で、さっきもみんなで見ていたテレビに出てきた往年のスターの名前が出て来ず、1人悶々としていたところだった。

「ちょっとトイレじゃ」

お手洗いの度にこんなに監視されていては敵わんといっそのこと免許を返納すればいいのにと思う時もあるが、もし免許を返し、車に乗れなくなってしまったら、おそらく暗澹たる日常が続いていくことは私自身が誰よりも分かっている。

これまで事故を起こしたことはないし、警察のお世話になったこともない。
それなのに何故免許を返さなければならないのか、はたまたそんな状態の内に免許返しておけということなのか。

色々と考えてしまうが、私がどうしても免許を返したくない理由がある、それは・・・。

『免許を取ったばかりだから』

自動車教習所に通い始めて早47年。
何度も試験に落ち、仮免に落ち、筆記に落ち。とにかく落ちまくった。
そんな中でようやく免許を先日取得した。
あまりの嬉しさに免許証の写真は号泣した顔になってしまった。
そんな半世紀掛けてようやく取った免許を早速返納するなんて、絶対に嫌だ!!


ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪