ロンドンの鬼トランジット|ミラノサローネ2019出張記
安いのにはワケがある
最初からヤバい匂いがしていたのだ。
ギリギリまでサローネ行きの予定が決まらず、飛行機のチケットを取ったのは二週間前。もう十分料金は上がっている中、1つだけ光り輝くほど安いプランがあった。British Airwaysだ。
そりゃ安いはずである。だって、関空からロンドン経由のミラノ行きなんだけど、ロンドンの市街を挟んで東西にある別空港(ヒースロー⇆ロンドンシティ)を移動せねばならず、その間3時間40分。自分が買っておいて言うのも何だが、よくこんなプラン売るなぁと。まぁ、これを選んだから、前の記事で紹介したレジンアーティストの彼との出会いもあったわけだけど。
さてGoogle先生が仰るに、ヒースローとロンドンシティ間は通常車で1時間ちょっと。でも夕方の渋滞ピーク時に市街のど真ん中を通り抜けなければならない。ヒースローを出るまでに45分、渋滞を見越して空港間をタクシーで90分、ロンドンシティでのチェックインからゲートまで恐らく30分、搭乗は大体30分前。合計3時間15分。「、、って事はあと25分あるから、何もなければ大丈夫だな。」、、とチケットをポチった。
いきなりの出発25分ディレイ
もう早速マージン0である。軽く背筋が寒くなりつつ搭乗。
出発が遅れた上に、延々と続く滑走路での離陸待ちにヤキモキする。
更にヒースローを降りる前の機内アナウンスで到着が45分遅れていることを知らされる。あぁ、こんな状況下で一番実感したくないのが、『マーフィーの法則』である。
デットヒート
座席が機内後方だから、先頭切って飛行機を降りるわけにもいかない。
とりあえず降りるや否や(この時点で確かあと2時間半だったかと)、僕は機内持ち込みのカバンを2つ抱えて全力疾走し、先に飛行機を降りた客を次々とブチ抜いていった。すると僕の前にもう一人走っている奴がいる。さては、あいつもロンドンシティー行きか。
そのまま、しばらく彼とのデットヒートが続いたが、登りのエスカレーターを駆け上がったのが脚にきたのか、彼はガクンとペースを落とし、ついに攻略。そして、あの広いヒースローで、入国審査官の所に一番に辿りつくという快挙を遂げる。
"Good Luck!!"
審査官に、「イギリスでの滞在日数」の欄に”A Few Hours"と書いた入国カードを手渡す。ぜーぜーと汗だくになりながら。そして接続(?)するロンドンシティー発ミラノ着のチケットを見せると、次の便の出発時間を確認するなり、審査官に”Good Luck!!” とか言われてしまう。
そのままBaggage Claimには目もくれず、出口へ。ここターミナル5の地図も機内でよくよく確認済だから、あっさりとタクシー乗り場に、これまた一番で到着。ロンドンタクシーの運ちゃんに超急いでいることを伝えると、「渋滞は覚悟して欲しいけどベストは尽くすよ。」と言って走りだす。案の状、市街に入ると渋滞がひどかったけど、後ろで酔いそうになるくらい裏道をクネクネと頑張ってくれた。
ロンドンシティ空港に到着
拍子抜けするほど小さな空港だった。空港というか、駅みたいな感じ。セキュリティーエリアも問題なく通過し、ミラノ行きのゲートに搭乗5分前に到着した。審査官の”Good Luck!!”が効いたようだ。
はぁ〜、何たる安堵感。この飛行機を乗り過ごしたら、時間的にその日中のミラノ行きは取れないだろうから、予定がメタメタになる所だった。。。
それでも挑戦したいという方へ、TIPS
このヒースロー⇆ロンドンシティの鬼トランジットは、ググれば「大丈夫でしょうか?」と尋ねる質問者に「何でそんなチケット買っちゃうかなぁ??」というツッコマれている記事を目にすることができる。僕も決して人にオススメはしないが、それでも挑戦するという人へ数点TIPSを。
・荷物は預けない。機内持込の2つで何とかする。
・キャリーケースはいざという時に走りにくいから注意。
・間違ってもセキュリティーチェックで余計な時間を使わないように。液体物は透明の小袋に入れて出しておく(空港にも小袋は置いてある。 )
・ターミナル5のタクシー乗り場を確認。ほぼ真ん中だから分かりやすい。
・夕方のタクシー移動は少なくとも1時間30分はみておくこと。Google先生の検索結果をそのまま真に受けてはいけない。
・Paddington ⇆ Healthrow 間をHeathrowExpressという電車で移動すると、渋滞の半分は避けることができるかも。チケットはあらかじめネットで取っておく。
最後に油断した
ゲートについて安心していたら、ほぼ同じ時刻にミラノに向かう別便のゲートで待っていた事が判明。また構内を爆走する。ゲートクローズ寸前に到着してセーフ。もう脚ボロボロ。
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