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【哲学】「暗い時代の人々」という希望。ハンナ・アレントと森まゆみ

『暗い時代の人々』という本が
この世には2冊あります。

一冊は、20世紀を代表する
哲学者ハンナ・アレントが
書いた偉人列伝。
もう一冊は、日本の作家、
森まゆみが書いた日本版偉人列伝。

ハンナ・アレントは
ファシズムや全体主義と
生涯闘ったユダヤ人哲学者。
彼女が書いた『暗い時代の人々』には
ローザ・ルクセンブルグ、
ヤスパース、
アイザック・ディネーセン、
ベンヤミン、
ブレヒトといった作家や戯曲家、
思想家11人の評伝が書かれている。

なぜ、この人たちが
暗い時代の人と呼ばれるのか?
というと、
全員、19世紀後半や末に生まれ、
20世紀前半の、
戦争やファシズムや
全体主義国家と闘った人々だから。
自由のために闘った人々です。
ハンナ・アレントは
ナチスの迫害から亡命し、
ナチスに抵抗し続けた哲学者です。
自分自身を鼓舞してくれる
偉人たちだったのでしょう。

ハンナ・アレントには珍しい、
読みやすいエッセイ集です。

この本の構造をヒントにして、
森まゆみさんは、
日本版『暗い時代の人々』を
書こうとしたのでしょう。

森まゆみさんが取り上げた
偉人たちも、20世紀前半の日本で
ファシズムや全体主義と闘った人を
取り上げています。

斎藤隆夫、
山川菊栄、
山本宣治、
竹久夢二、
吉野作造、
こうした人9人を取り上げている。

それにしても、
「暗い時代」を生きた人
という言葉は、実に旨いことを
いったなあ。

戦中だけではなく、
戦前という時代も 
「暗い」時代だったのか?
そうして、そんな中で、
国家やファシズムと闘う人が
いたことを忘れるな。
忘れてはならない。
そんな人々の後に続け!
いや、続いて行くのは無理だけど、
せめて、そんな人が 
いたことを忘れるな!
そうハンナ・アレントや森まゆみは
言いたいのでしょう。

ところで、今の時代は
なんて言えばいいでしょう?
暗い時代?
絶望の時代?
不安の時代?
失望の時代?

それから、
どんな人物を選べば良いでしょう。
宮崎駿、
柄谷行人、
西加奈子、
藤本和子、
高橋源一郎、あたりをまずは
調べてみましょうか?
人選はかなり難しいなあ。

それにしても、現在を
どんな時代と名付けるのか? 
どんな人選にするのか?
考えるのは楽しい時間になりそうです。

もう少し詰めて行きたいと思います。
それはまた後日、ということで。

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