2023/11/25(土) 【異形種交流会 特別回 】 準備録④
Sarah Grandjean(サラ・グランジャン)
ダンサー、パフォーマーであり、不条理と動物性に奉仕する研究者である。
フランスのMetzとベルギーのBrusselsを拠点に活動し、ノマディズムと集団は、彼女が紡いでいく道に不可欠なパーツである。
彼女の作品は、空間における繊細な存在感に根ざしており、それは具体的な行為を生み出している。
彼女は社会学、人類学そしてコンテンポラリーダンスを学ぶ。ブリュッセル王立美術アカデミーのIsac(芸術•振付高等研究所)に通い、そこで、ダンスと創作に対するハイブリッドで学際的なアプローチを身につけ、後に学校、大学、刑務所でのプロジェクトを通して、ダンスとメディエーション(媒介)を結びつける。
更にフランスで10年間舞踏を学び、特に財津暁平、Camille Mutel(カミーユ・ミューテル)、Imre Thormann(イムレ・トールマン)に師事。
定期的に道化の練習に没頭し、現在は動きや動作に連動した筋膜療法のトレーニングを受けている。
現在、いくつかのダンス・カンパニーや非営利企業、舞台、路上、自然の中など、様々な場で活動している。
盟友Nathalie Bonafé(ナタリー・ボナフェ)と共にダンスカンパニーdemeure drueを設立。
“Sophie Farza(ソフィー・ファルザ)とSarah Grandjean
彼女達のパフォーマンスはステージの隅に存在する空間における想像世界と物質世界の狭間で、“擦り切れる、浮き上がる、消去される”様々な様相の素材達を連動させるのです。
彼女達は周辺や環境との関係を詩的に表現するために、顔のないダンスをどう踊るのだろうか。
思うこと。
この秋に来日来沢するこの2人のプロフィール、なかなかに難解だ。(FUJI-YUKIさんの和訳は、流石だと思う)
私は大学を建築学徒として過ごし、バウハウスやデ・ステイル、ロシア構成主義などの作品や文献を読み漁り、それらから受けた影響そのままにデザインコンペティションに応募し続けた。
舞踏あるいは演劇というと、バウハウスのマイスターの1人、オスカー・シュレンマーを思い出す。当時こんな演劇作ったら、そりゃナチスから退廃芸術のレッテル貼られるだろうなと(笑)。この人の絵画や彫刻、特に演劇のデザイン全てが好きだった。
(クリックで、SONYビデオテープのCMで使われたのが観れます)
荒川修作+マドリン・ギンズが作った「養老天命反転地」は、訪れても宿命が反転するとか全く意味が分からなかったが、
彼の「身体は肉体とさほど関係が無いからね」という言葉は今でも記憶に残っている。
身体と肉体がズレを起こすように、外界との関係性を表現する、それが芸術としての身体的パフォーマンスでありインスタレーションなのかなと。生まれたての子が、空に浮かぶ月を取りたくて手を伸ばし、その距離感を初めて知るような。
3人によるパフォーマンスについて
『声と舞踏を通して我々は古来の感性に触れる
これは極めて原初的な空間インスタレーションである』
この企画は『古来の感性の共有』をテーマに、FUJI-YUKIのヴォイスパフォーマンスと、フランス在住のダンサーのコラボレートパフォーマンスにより、新たな芸術的価値観を生み出すことを目的とした日仏の文化的交流企画です。
お互いの育った土地に根付いた古来の感性を探求、交感、共有した2人のパフォーマーが作り上げた空間インスタレーションは、声と舞踏を軸に2人の息遣い、美しく精緻な空間、そして静謐な沈黙で作られたものです。
その研ぎ澄まされた簡素な空間で、人間の根源的な感覚を演者、観客と共に体感することにより、私達は超自然的な音や気配、沈黙そして空間をより鮮明に感じるのです。
フランス3都市で開催されたこの日仏交流企画が、日本の金沢にやって来ます。
(続く)
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