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保護猫の可能性、彼らを愛する人たちの可能性を信じてる。

2021年10月21日。株式会社neconote(ネコノテ)を設立しました。
※アルパカと同じイントネーションで、ネコノテと読みます。

社名にはいろんな想いを込めました。自分の夢、ミッション、保護猫業界への期待。青臭いことも、そんな簡単じゃないこともたくさん。それでも27歳を迎える直前に、社会に対して宣言しておきたかったんです。本気だってことを。

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会社設立にあたって

2021年4月に"保護猫フリーランス"として独立してから、半年が経ちました。いろんなことが生まれては無くなりを繰り返す半年という時間のなかで、僕が"目指したい景色"とか"未だ見ぬ「仲間」"の輪郭を徐々に捉えられるようになった気がします。いろんな猫と会っていろんな人に会っていろんな話を聞いていろんな否定もされて。すべてが糧となって器に溜まってきたものが、表面張力も限界を迎えてついに溢れてしまった。そんなような感覚です。

一方で、一部の先輩方から”ゆとり世代”と揶揄(笑)されるように冷めきった自分もいます。委託業務で収入が安定して、大きなプロジェクトも動きはじめる前で、移住まで時間があって、その間に自主事業を仕込めて、税制変更のリードタイムをフル活用できる、決算の区切りもいい。だから、いま。感情と打算の配分がいい塩梅で、"ゆとり世代"らしいタイミングなんじゃないでしょうか。

事業としては、これまで通り譲渡会の企画運営」「保護猫団体の新規事業支援」「保護猫事業のPPP支援」「保護猫×共同住宅の企画運営」を主軸に活動していきますが、法人化に伴い新しい自主事業にも挑戦していきます。

「仲間」と顧客

「猫を助けてる人を助けることでより多くの猫を助ける」というスタンスでこれまで取り組んできましたが、これからは「保護猫と保護猫団体と一緒にビジネスをつくっていく」ことになります。

保護猫たちが顧客を魅了し、保護猫団体が専門的な知見で彼らのマネジメントを行う。そのバックアップやプロデュースを私たちneconoteが行う、三位一体の編成です。

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価値の届け先(顧客)となるのは、猫を愛するすべての人々。彼らの”愛”が猫の幸せに繋がる社会が、neconoteの目指す未来です。

”施し”ではなく"自続支援”を

言うまでもありませんが、保護猫や保護猫団体は僕にないアセットを持っています。そして彼ら彼女らにないものを、少しばかり私たちが持っている。だから助け合える。それだけのことです。

私が5年ほど前に保護猫業界と関わりはじめて感じた最大の課題は、活動の属人化でした。簡単にいうと"いま活動されてる方々が凄すぎて誰も真似できない”状態。そのエネルギーが猫を取り巻く環境を改善し続けてきたわけですが、このままではあとが続かない。10年後20年後の猫を救えなくなってしまいます。

これまで多くの第三者機関が保護猫団体に対して「支援」を行ってきました。それは金銭や場所や知名度など様々なカタチをとっていましたが、一時的な取り組みであることも多く、継続的に取り組んだとしても支援先が限定されてしまい最適化されているとは言えませんでした。

その取り組みで多くの命が救われてきたことは事実で、かけがえのない尊い取り組みであることもまた事実です。

しかし先述のように、業界としての持続性と再現性は著しく低い。

なら、もっといい未来が描けるはず。

そのために必要なのは”施し”ではなく"自続支援”だ、と私は考えました。

【社名の由来1】"手を取り合っていい"自続する文化

現代の学校教育の基盤をつくった、19世紀の教育実践家ペスタロッチはこう考えました。

「民は施し物によっては救済されない。民自身が自らを助け、自立して人間らしい生活をしていくのに必要な能力や手段を身につけられるように援助してやるとき、初めて民を真に救うことになるのである。」(ペスタロッチ 1771)※一部改変

(細かい表現はさておき)構造自体は保護猫業界にも言えることだと直感的に思いました。私が保護猫団体へ真に貢献できるとしたら、単発的な金銭/人的支援ではなく"自続"(継続性や再現性の向上)への支援なのだと。だからといって自分の足だけで立てというつもりもありません。そのための"手"になるし、もっと多くの"手"(ボランティアや他業界の個々人、企業など)を取る仲人になります。(ゆくゆくは業界内の団体同士が手を取り合う世界をつくりたい)

これまで保護猫団体の先輩方はその想いの強さゆえに世間との温度差が生まれ、想いの強さを言葉や行動にも反映する必要に迫られたことで、後ろ指を指されることも多くあったと思います。だから他業界との繋がりは極力避けてきた。目の前の命と自分の身を守るためには仕方ないことでしたが、時代は変わりました。"外"の人たちは保護猫業界に強い興味があるし、「猫のためになにかしたい」と願っています。

だから僕が架け橋となり保護猫業界にもっといろんな人やモノが入りやすいようにする。もっと豊かな業界にする。もちろん各所に様々な負担がかかる(時には競争原理が働く)ことは想像できますが、それを踏まえても"開国"すべき時期なのだと、強く思っています。

【社名の由来2】"猫の手が猫を助ける"循環と継続

私たちneconote(=猫の手)が保護猫団体をサポートし、彼女らが保護猫をサポートする。「猫の手が猫を助ける」関係性は、主体と客体が循環し拡張していく構図になります。ここに、保護猫団体の活動の継続性を願い信じる気持ちを込めました。

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【社名の由来3】nekoではなくnecoである理由

これまで字面だけでnecoという表記を使ってきましたが、会社のスタンスを振り返ると、coを使う意味がすとんと腑に落ちました。

【co】(接頭語)
1「共働で」「共に」・2「同程度に」「等しく」
3「相棒」「パートナー」・4「代理」「補助」
5《数学・天文》「余」「補」

株式会社neconoteは「保護猫と保護猫団体と一緒にビジネスをつくっていく」会社。未来の保護猫業界を業界の先輩方と共創していきます。

【社名の由来4】動物保護団体の「猫の手」

「猫の手も借りたい」と、猫たちの世話に日々追われる保護猫団体のスタッフさんたちは皮肉めいて呟きます。だったらその「猫の手」になりたいという安直な、でも真っ直ぐな、そんな気概も込めています。

【社名の由来5】誰にでも伝わる会社のスタンス

「猫の手」と言われれば、なんとなく何かを手伝ってくれる気がしませんか?先程の慣用句も馴染み深いので、きっとそういうニュアンスが説明なしに伝わると考えました。特に株式会社なんて仰々しい枕がついてるので、信頼関係を築くうえで第一印象を大切にしたかったんです。

【社名の由来6】保護猫活動のオープンソース『neco-note』

業界外の"手"を取るには、相応の力と技術が必要です。そのためのサポートを行うサービス『neco-note』(ネコノート)というサービスを開発中です。

neco-noteは「猫助けのサブスクリプションサービス」。「猫のためになにかしたい」と思う人(以下、バディ)の願いを叶えるwebアプリです。バディは月額の会員費を払って会員登録。特典として「保護猫のフォスターペアレント(養親)になる権利」「仮)ライブ配信で使えるおやつ券」などがもらえます。会員費の50%(一部60%)がフォスターペアレントとなった保護猫が所属する団体に寄付されます。

基本機能として、受給するスキルを明確にした「ボランティアマッチング」と譲渡に役立つ「保護猫活動履歴」が利用可能。もっと保護猫活動に取り組みたい人のために「質問掲示板(知恵袋)」「保護猫ファンショップ」などの追加機能も、順次リリースしていく予定です。人材(ボランティアマッチング)、知識(知恵袋)、金銭(会員費による寄付/保護猫ファンショップ)の3つの側面から保護猫団体の自続支援を行います。

保護猫団体とバディがお互いのことを”台帳”に貯めていく。その"繋がり"が双方にとって、猫を愛する同志であり、いざというときに手を取り合える仲間であり、"財産"となる。そんな"ノート"に、育ってくれることを願っています。

「犬は助からなくていいのか?」と思った方へ。

いいわけがありません。そんなわけがないんです。

私たち人間は「犬猫」と一括りにしていますが、そもそも彼らは違う生き物で、行動パターンも人間に求めることも異なります。ともすれば猫を助ける人間と犬を助ける人間が求めているモノも異なるわけで、それを十把一絡げにして「はいどうぞ」と手を差し伸べるのは失礼だと考えています。(ドックトレーナーなどの資格があることを思えば理解しやすいはずです)

なのでまずは、私が精通している保護猫業界でモデルをつくり、その後に保護犬業界へ進出します。ゆくゆくは「inu-note」を兄弟ブランドとして展開できたら、とも妄想していますので、待っていてください。

会社のこれから

会社は生後3日で社員は僕ひとり。社名を関した(?)サービスのローンチもまだ少し先。なんだかポツンと海に浮かんでいるようで、何者でもないような、何者にでもなれるような、そんな浮遊感に浸っています(笑)

とはいえ、やるべきこと、やりたいこと、やるべきでないことは段々と見えてきています。となれば、あとはやるだけ。転んでたら、助けてください。

まずは『neco-note』のローンチ。来年の飛騨移住の前に地盤を固めます。応募していたQWSチャレンジにも採択されたので、そこで企画を磨きます。次に「ボーダレスアカデミー」でソーシャルビジネスの経営について学びます。サービス単体に意識を取られてると、立ち行かない場面に遭遇すると思うので。あとは、いろんなコンペに『neco-note』で挑戦します。自分の頭の整理にもなるし、通れば露出も増える。きっと、いい出会いにも恵まれるはず。

いざ。

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