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評価行脚②

ちょうど2020年度開始の休眠事業が中間評価となる。
再三書いているように、休眠預金事業は評価を重視していて、評価がある意味国民の財産を使い、生まれた成果を説明する重要なツールとなっている。
中間評価は、3年間の事業の折り返し地点で、事業を振り返り、予定していた活動ができたか。それによって、3年間で生み出したい成果にどこまで近づけたか。うまくいかなかったところはどこか?その原因は?
いろいろな視点でそれを測り、分析し、後半の事業へうまく行ったところは太く、と活かしたり、やり方を変えて改善したり、というチャンスになる。もちろん、それに合わせた資金計画も改変する。

机の上に、事業計画の特に中長期アウトカム、短期アウトカム、アウトプット、活動が参照できるように配置。隣には評価計画書を置く。それは、アウトカム、アウトプットをどのように測るか、変化を読み取るか、を事業の進捗、項目別にリスト化した、それぞれ短期アウトカム、アウトプットの評価指標(測り方)と出発点での状態、そして目標が記してある。
つまり、事業計画の短期アウトカム、アウトプットの成果の測り方が評価計画書のリストとリンクしているので、つなげながら評価を実施していくことになる。
反対側に、報告書のひな型をおいて、まずは、点検と称するチェックリストを正面において、実行団体の方々と一つずつ、照らし合わせていく。
成果を図る指標は客観的か?正確か?多様な視点を持っているか?
思いがけない成果は生まれたか?
などを、アウトプット一つずつ、アウトカム一つずつ、評価計画書とつなげ、確認していく。
実はとても手間のかかる作業。
でも、これをすると、1年半の事業の姿、生まれた成果、対象の方々の変化、変わっていった周囲の環境をどう測ればいいのか、どう読み取ればいいのかがお互い、明確になる。
この点検の後、実際に実行団体の評価チームが、記録の整理、アンケート、ヒアリング等々評価計画書にそって、まとめていくと、事業の中間地点での正確な進み方、成果が見えてくる。
報告書のフォーマットで伝えきれない部分は、文章やリストもあれば、写真とキャプション、グラフ、など、ある意味なんでもいい。わかりやすく、伝えやすい表現方法で、とお願いしています。
その自由書式部分が、実行してる団体の方々の活動の集積と変化がクリアに見えてくるのと思っています。

それぞれ訪問し、いろいろお話する中なか、思いつくまま、北から、イメージする。
長野県、上田別所温泉のアグリフォーレストリーは、移住者、二地域間居住者、学生、地元ステークホルダーを巻き込んだ事業。これでもか、という地域の伝統的な技、山仕事、キノコ栽培、耕作放棄地の開墾などなどをイベント化している。
その集積をどう成果としてみせるのか。

八ヶ岳南麓の富士見町では、リビングラボを拠点とする、こども支援NPOと商工会、食団体などの多様な主体がコレクティブインパクトを創造していく。
拡張する活動をどうまとめ上げる成果とするのか。中間評価での前半の評価のまとめが楽しみ。

山梨県の韮崎市、河原部社の事業は、若者自身の自分たちへのまちづくりチャレンジ。
当初は店舗開発という直球一本だったが、事前評価で、自ら学び、自らが行動する、Study & Actionのプロジェクト志向となった。
その分、事業の進捗度合いが遅延気味だが、しっかりと実を生んでいってほしい。

釜無川を下って、南アルプス市のBOND PLACEは、社会的処方、リンクワーカーを地域に生み出す事業。
第一期生を生み出し、その評価も踏まえ第二期へ進む。
それら研修で生まれ育ったその人達の。3年後以降のネットワーク維持、その他の地域への伝播の方法、継続の仕方など、中間評価の意味は大きい。

釜無川が富士川に変わる辺り。
富士川町のスペースふうは、リユース食器事業で頑張っている環境系NPO。
この事業はその食器を使いながら、産後間もないお母さんへお弁当を配達、その際の会話で孤立や悩みを聞いていく。
配達を担う人もうまく働けない人が参加。
町内でそういった支え合い、セイフティネットのネットワークを生み出すのがアウトカム。
日々の活動がある意味精一杯の中から、中間評価で未来展望の絵をどう描くのか。楽しみです。