#雨月先生は催眠術を使いたくない
― 有 島 ■ 月 ―
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人の記憶を消すのは疲れる。
体力を使う割に、たいていは徒労に終わる。
有島残月はフルフェイスのヘルメットを脱ぎ、金色のツイストパーマヘアを軽く掻き上げ、ため息をついた。
横須賀の離島で、心理学生ばかりが集められた脱出ゲームが行われるらしい――その噂を知らされたのは、ゴールデンウィークが始まる少し前、やたらと風が強い日だった。
他人の記憶を消す能力がある残月は、警
雨月先生こどもの日SS。発熱中のじゅんすたが考えた捏造ゴールデンウィーク
5/5、ゴールデンウィーク真っ只中。
小説本編では、玲は弟妹たちと全力で遊んでいるところのはずですが、これは戯れのSSなのでその設定は無視され、不破の誘いで江ノ島に来ています。
海と車が大好きな不破修平は、しょっちゅう江ノ島に来ており、毎年恒例のスーパー大渋滞も見越してマニアックな道を進んできたため、正午の現在、快適に海辺でアイスを食べています。
コンクリートブロックに三人並んで腰掛けてい
『雨月先生は催眠術を使いたくない』発売1ヶ月SS 新宿コクーンタワーサイゼリヤの乱
講義の始まりとともに現れ、終わるとどこかへ消える、神出鬼没の心理学准教授・有島雨月。
雨月の行方を探すのは、なかなか骨が折れる。大学構内に、複数の隠し住処を持っているからだ。
玲は旧ゼミ棟の一階のドア前に立ち、深呼吸した。
三十分ほど構内を走り回り、全て捜し尽くした。となれば、もうここ、実験動物の飼育室――通称・有島動物園しかありえない。
ゴンゴンと強めにノックしドアを開けると、やわらか