認知症をあるく

認知症になっても「恥ずかしくない」「怖くない」「不幸じゃない」社会は、どうしたら実現で…

認知症をあるく

認知症になっても「恥ずかしくない」「怖くない」「不幸じゃない」社会は、どうしたら実現できるのでしょうか。この問題を立ち位置に、認知症にまつわる様々な情報・知識・意見を発信していきます。 編集長=尾崎純郎[NPO法人認知症ラボ理事長/株式会社harunosora代表取締役]

マガジン

  • 「痴呆」を見つめる

    昭和の農村・都市、そして老人を切り取ってきた写真家・田邊順一によるフォトマガジン。40年ほど前にさかのぼり、当時の痴呆の人たちがどんな環境・社会状況に置かれていたか振り返る。

  • 認知症の人たちの小さくて大きなひと言

    認知症の人は「何もわからない」「すべて忘れてしまう」「心を失っている」わけではない。「豊かな感情」「矜持」「思いやり」「愛」「人の役に立ちたいと思う気持ち」などを持ち続けている。一方で、認知症の人は診断を受けて「絶望」し、「自分が自分でなくなっていく不安」を抱え、「この先の人生に悲観」することもある。ここでは、認知症の人たちが吐露したリアルな声や言葉をたくさん集めた。これを読むと、認知症の人のこと、認知症のことを私たちがいかに知らないか、思い知らされる……。

最近の記事

認知症書籍の歴史を辿る。 [1819〜1999年]

認知症にまつわる情報があふれている今——。書籍の出版も花盛りである。最近では、書店の一角に「認知症コーナー」が設けられていることも珍しくなくなった。 過去から現在を辿ってみると、実に多種多数の認知症書籍が出版されてきたのがわかる。医学書に始まり、介護書、看護技術書、介護体験記、予防術、テキスト、事業所実践記、翻訳書、小説、漫画……etc。そして近年では、認知症本人の手記などが散見される。 有吉佐和子氏の小説『恍惚(こうこつ)の人』(新潮社)が発表されたのが1972年。今か

    • 認知症書籍の歴史を辿る。 [2000〜2018年]

      認知症にまつわる情報があふれている今——。書籍の出版も花盛りである。最近では、書店の一角に「認知症コーナー」が設けられていることも珍しくなくなった。 過去から現在を辿ってみると、実に多種多数の認知症書籍が出版されてきたのがわかる。医学書に始まり、介護書、看護技術書、介護体験記、予防術、テキスト、事業所実践記、翻訳書、小説、漫画……etc。そして近年では、認知症本人の手記などが散見される。 有吉佐和子氏の小説『恍惚(こうこつ)の人』(新潮社)が発表されたのが1972年。今か

      • どうすれば認知症の人への「虐待」を止められるのだろう。

        老人ホーム等での介護職による虐待が後を絶たない……。果たしてそれはどこまで広がっているのか……。 この本は、著者が、かつて特養の入居者にあやうく暴力を加えそうになった経験、ならびに自身が運営するグループホームで起きてしまった虐待事件を振り返りながら、虐待が起こる原因について深く追究し、どのようにしたらそれを止められるのかを思考したもの。 ちなみに、タイトルにある「鼻めがね」とは、クリスマスや誕生会などで用いられるパーティーグッズ。これを認知症のお年寄りに付けさせ、「かわい

        • 著者に逢う [Niccoさん] 「母が若年性アルツハイマーになりました。」

          ◆書籍……『母が若年性アルツハイマーになりました。——まんがで読む家族のこころと介護の記録』 ◆著者……Nicco ◆体裁……A4判変型/168頁/1,500円(税別) ◆発行……2018年4月 ◆発行元……ペンコム 今年4月、『母が若年性アルツハイマーになりました。——まんがで読む家族のこころと介護の記録』という本が出版された。認知症の人と家族の会・千葉県支部の会報に長らく連載されてきたものが一冊になった。 カワいい絵と手書き文字で綴ったこの本の作者は、イラストレーター

        認知症書籍の歴史を辿る。 [1819〜1999年]

        マガジン

        • 「痴呆」を見つめる
          12本
          ¥500
        • 認知症の人たちの小さくて大きなひと言
          7本

        記事

          アニメ「しわ」に描かれる、認知症という絶望と希望

          このアニメを製作したのは、高畑勲監督をリスペクトする、スペインのイグナシオ・フェレーラス監督。老人ホームに入所したエミリオと、そこで暮らす老人たちの物語だ。 かつて銀行の支店長だったエミリオ。認知症の症状があらわれ、息子夫婦に連れられて老人ホームへ。もちろん、エミリオは入所に納得していない。不満、不安、諦観……。 そこで目にしたのは、同じ言葉を繰り返す老人、家族に連絡をとりたくて一日中電話を探す女性、貴婦人でいた過去に生きる人、火星人を怖がる老女等々……。 「ああはなり

          アニメ「しわ」に描かれる、認知症という絶望と希望

          「痴呆」を見つめる [第0話] あふれるベッドの傍で

          「兄さん、ここから出しとくれ……」 別れ際、彼女のささやくようなか細い声がしばらくの間耳から離れず、思い出すといまだにつらい。何もしてあげることができなかったからだ。 昭和39(1964)年の秋、Mさん(女性、72歳)が入院したと聞いて訪ねたのは、新宿にほど近い甲州街道沿いのK病院だった。2階の病室をのぞくと、20ほどのベッドが隙間なしに並び、彼女はその1つに寝ていた。通路が狭く、枕元に立つこともできない。 Mさんと知りあったのはこの1年ほど前。私がカメラを肩に、都

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          「痴呆」を見つめる [第0話] あふれるベッドの傍で

          「痴呆」を見つめる [第1話] 必要悪から市民権へ

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          「痴呆」を見つめる [第1話] 必要悪から市民権へ

          「痴呆」を見つめる [第2話] 静養室という名の独房

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          「痴呆」を見つめる [第2話] 静養室という名の独房

          「痴呆」を見つめる [第3話] 3000枚の布おむつ

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          「痴呆」を見つめる [第3話] 3000枚の布おむつ

          「痴呆」を見つめる [第4話] つなぎ服の誕生

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          「痴呆」を見つめる [第4話] つなぎ服の誕生

          「痴呆」を見つめる [第5話] 立ちこめる湯気の奥で

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          「痴呆」を見つめる [第5話] 立ちこめる湯気の奥で

          「痴呆」を見つめる [第6話] 薬のための食事

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          「痴呆」を見つめる [第6話] 薬のための食事

          「痴呆」を見つめる [第7話] 老いの飼育

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          「痴呆」を見つめる [第7話] 老いの飼育

          「痴呆」を見つめる [第8話] 「お世話になる」老人たち

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          「痴呆」を見つめる [第8話] 「お世話になる」老人たち

          「痴呆」を見つめる [第9話] 終の住処

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          「痴呆」を見つめる [第9話] 終の住処

          「痴呆」を見つめる [第10話] 老人たちの居場所

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          「痴呆」を見つめる [第10話] 老人たちの居場所