僕のひこうき雲 16(揺れる手術への決意4)
某月某日
同日、MRI撮影後に再び主治医と面談した。
まず主治医の方から、今日のMRI画像については二週間前に救急車で搬送された際に撮影されたものと大きな変わりはなかったと説明を受けた。
また脳腫瘍らしきものについては、まだタイプが分からず、比較対象も二週間前のものと期間が短いために、現時点では何とも言えないが、悪性度の高いものではないと思うとのこと、
ただし、画像に写る白い影は正常なものではなく、放ってはおけないものであることには間違いないため、早期に手術を行って、診断を確定させることが、今後の治療方針を立てる上で大切であると話された。
手術については、妻の脳腫瘍らしきものはこりっとしているものではなく、正常な脳の部分との境界線が分かりにくいものであるためにナビゲーションシステムを使用して行うこと、
また一部組織を取るものであり、後遺障害は少ないと思うとのこと、
そしておそらくは手術後に残る部分はあり、性質が悪いものなら、5年後、10年後を考えて再手術が必要となる旨、妻と息子、私の目を見ながら訥々とお話し下さった。
最後に、妻が、先生の奥様が同じ状況なら、先生はどうされますか?とたずねたところ、
先生は考えながら、でもはっきりと、タイミングは見るが、手術を行わないということはしない、と答えられた。
妻は、私と息子のために、手術を受けることを同意してくれた。
僕達家族の歩みの中で、大きな、大きな決断だった。
※この記事は投げ銭記事です。投げ銭は妻の医療費に充てさせていただいております。
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妻が倒れてから、感情を言葉にすることの大切さを実感している。拙くても不器用でも、妻への思いは送り続けたい。