見出し画像

資本主義の限界が近いって話

今回の内容を簡単に言うと

先進国の経済成長率は徐々に低下
資本主義の原理からすると経済成長の低下は当たり前
このまま資本主義を続けると最後に待つのは破滅
次の社会にシフトしないといけない
そのためには僕らの意識も変えないといけない

という感じです。


これを知ると、日本や世界がこれまでどう発展してきてどこに向かっていくのかという視点で俯瞰して世の中を見ることができるようになります。

また、僕ら個人としてどんな人生を歩むべきなのかの方向性もわかってきます。

資本主義の限界とは何か?

経済成長率はずっと減少している

昨今、コロナによって不況になった経済成長率が下がった、などと叫ばれていますが、実はコロナの前から長期的に経済成長率は低減していました。


つまり、

コロナ関係なく先進国の経済成長率のトレンドは下がり傾向が続いていた

ということです。


グラフで見るとこんな感じ。

GDP成長率

引用:ビジネスの未来

これはなぜでしょうか。

経済成長率が減少している理由

経済成長率が減少している理由は

もう先進国は物質的に満たされてしまっているから

です。


つまり言い換えると

生活を豊かにするための製品がまだ無く生活が便利でない時は、そこを満たすことによって経済はどんどん成長していくけど、ある程度満たされてしまうと、もう物は必要でなくなり、経済成長も止まっていくよね

と言ってるわけです。


日本でいうと、

30〜40年前の戦後復興から高度経済成長期の時代は、日本中が物質的に貧しかったので物を作れば作るだけ売れ、それにより高い経済成長を記録しましたが、今やもう物質的な不便はほとんど解消されてしまっているため、物は売れず経済成長は低迷している

ということですね。


確かに実感としても、

1家に1台、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどがあることは当たり前
テクノロジーの進歩スマホにより誰でも手軽に世界中の情報にアクセスできる

等、30〜40年前の時代と比べて生活はかなり豊かになりました。

今や何かの製品が開発されて、どの家族も行列をなしてそれを買い求める。という光景は見かけなくなりました。

経済成長の低迷は世の中が成熟している証

「不況だ!やばい!」
「経済成長が低迷している!やばい!」

と頭を悩ませている人が多いですが、実はそれは世の中が満たされてきているからであり、喜ばしいことなのです。


ですが、資本主義というのは無限に成長していくことを前提としており、営利企業・資本家の目的も企業の利潤を拡大させ成長させることです。


つまり

資本主義の最後は、資本主義の前提・目的が破綻することにより達成される

というジレンマを孕んでいると言うことができます。

このまま資本主義を続けるとどうなるのか

マーケティングとは何か

1960年代頃から徐々に経済成長率は低下していきましたが、見事にそのころからマーケティングの重要性が叫ばれるようになりました。

大手広告企業である電通のマーケティング戦略十訓では

もっと使わせろ
捨てさせろ
無駄遣いさせろ
季節を忘れさせろ
贈り物をさせろ
組み合わせで買わせろ
きっかけを投じろ
流行遅れにさせろ
気安く買わせろ
混乱をつくり出せ

が掲げられています。


何が言いたいかと言うと、マーケティングというのは、

物質的に満たされてしまった現代で、需要の減った消費者に無理やり物を買わせるための喚起活動

だと言えるということです。


つまり、現代は終わりに差し掛かった資本主義を何とか続けさせるために

資本主義の延命処置を懸命に行っている経済

だということです。

すでに環境や資源の問題が深刻化している現代において、これが望ましくないということは誰の目にも明らかでしょう。

資本主義で解決されない課題は残り続ける

資本主義によって人々の多くの課題が解決され、生活は豊かになりました。

しかし、資本主義では解決されない課題も多くあります。


なぜそうなるかと言うと、資本主義は利益にならない問題に対しては解決しようとしないためです。


つまり、資本主義の中では、投資に対して利益が上回ると思われることに対しては資本家がビジネスを行いますが、投資よりも利益が下回ることについては、誰も投資しないということです。


これでは、例えば、

奇病など、数は少ないが重大な問題
格差の拡大など、資本主義自体が引き起こす問題

はいつまでも解決されません。


そのような問題に対して国が対応すべきなのですが、まだまだそのような課題は山積しているのが現状です。


このまま資本主義を継続し、これらの問題を放置していて良いのでしょうか。

すでに満たされてしまったこの社会で、さらに生活を便利にしようとする意味はあるのでしょうか。


そのように考えるべきタイミングに来ています。

人が物を買う理由

著書では、人が物を買う理由は2つあるとされています。

それが

物質的貧困を満たすため
他者に優越を示すため

の2つです。


そして、現代では1つ目の物質的貧困が満たされてしまっているため、経済を動かしているのは主に2つ目の他者に優越を示すための消費です。


例えば

ハイブランドの美容・アパレル製品
プレミア価値の高い趣味・嗜好品
希少な食べ物等の賛沢品

等です。

これらは物質的な貧困を満たすためではなく、他者に対して優越感を得るための消費であることが多いです。


そして、1つ目の物質的貧困を満たすための消費と違い、2つ目の他者への優越には限界がありません。

つまり、際限なく価格が高騰し、人々の醜い贅沢合戦もどんどん膨れ上がっていきます。


何千万円、何億円というスポーツカーをガレージに並べているような大富豪を思い浮かべると想像しやすいのではないでしょうか。


ですが、このような社会は本当に私たちが望むべき社会なのでしょうか?

その社会に本当に豊かな人生や本当の幸せはあるのでしょうか?

次に目指すべき社会とは?

このように資本主義を続けていては危ない未来が待っている、ということは理解していただけたかと思います。


ではどのような未来に向けて進んでいくべきなのでしょうか。

それは以下のような社会です。

「便利で快適な社会」ではなく「真に豊かで生きるに値する社会」
企業が「文明的豊かさ」ではなく「文化的豊かさ」を生み出すビジネスを行う社会
アメリカによって示されていた新自由主義・市場万能主義の社会ビジョンから、北欧型のそれに近いような社会民主主義の方向へ
「便利さ」よりは「豊かさ」が、「機能」よりは「情緒」が、「効率」よりは「ロマン」が、より求められる社会
見せびらかしや優越のためでなく、自分の生活を真に豊かにしてくれるモノやサービスを購入し、それらによってまた自らの感性や知性も育んでいく社会
誰もが自分のペースで夢中になれる仕事に没頭する社会
誰もが自分が住みたい場所に住み、働きたい仲間と働いて、労働の喜びを感じられる社会
経済成長のためではなく、美しい風景のなかで人々が人生を送るために、さまざまな公共の開発・投資が行われる社会

引用:ビジネスの未来

未来の社会へ移行するために必要なこと

このような社会に移行していくことは容易ではありませんが、著書では最も重要なこととして

一人一人の意識・行動を変えること

が重要だと提言しています。


つまり、私たちの一人一人が変わることにより、企業が変わり、国が変わり、社会全体が変わっていくということです。


例えば

単純に安いものに飛びつくのではなく、環境や資源に配慮した消費行動
贅沢品にお金を使うのではなく、本当に必要なことへの消費行動
給料のために時間を無駄にするような労働ではなく、もっと自分らしい仕事選び

などです。


時代は平成〜令和と進むにつれて、人々の意識はより、

お金→自由
モノの所有→コトの体験
他人と比較した相対的幸せ→自分がどう感じるのかの絶対的幸せ

というように良い方向に変わってきています。


この良い流れをさらに加速できるように、それぞれが自分を見直すことが求められています。

サポートしてくれたら、ブドウ糖を買おうと思います。