虫と僕の一夏の恋
旅人のtatamiです。
昨日の夜、砂浜でテントはたて野宿することにしました。
旅には野宿はつきもの。虫と戯れるなんて覚悟の下
だか、あいつら虫達はどこからともなく現れる。
テントをたて終わりゆっくりしていると、
密閉されたテントのなかを優雅に散歩していた。
いつどのように入ったかもわからないそいつは、
短い手足をカサカサと動かしまるで、僕を挑発してるかのようだった。
とんでもなくすばしっこい奴だ。
僕の空間に入ったことを後悔させてやる。
僕はその日の夜そいつを追い出そうと躍起になっていた。
姿を消すのが上手い奴だった。
戦いを始めて1時間ぐらい経っただろうか。奴の姿はなかった。
僕は諦めてマットを敷き寝ることにした。
気持ちよく寝てるその時、あいつは俺の足の上を這い巡ってきた。
僕はとびおきた。
まだ遊び足りないみたいだ。そこからは寝て起きての繰り返し、まるで夜泣きだ。
もううんざりだと思うと同時に少し愛着がわいてる自分がいた。こんな感情は初めてだ。あいつは気まぐれだ。
また姿をくらましてしまった。初めての感情に戸惑いながらもその日は疲れ果て寝てしまった。
朝起きてテントを片付け時にはあいつの姿はなかった。
あいつは一体何者だったのか。なんていう虫なんだろう名前ぐらい聞いとけばよかった。
もう2度と出会うことはないのだろう。出会いがあれば別れがある。
旅をしていると人や虫との出会いが尊いものだと考えされられる。
少しだけ寂しい気持ちを抱きながら、自転車にまたがり、いつものようにポーチの中のイヤホンを取り出そうとした時、あいつがカサカサと飛び出してきた。
あいつは僕がポーチを開けるのを待ってたみたいだ。
僕の周りを元気よく駆け回ってる。
気をつけて行ってこい。そう言ってた気がする。
僕は名前も知らないそいつに、いってきます!と笑顔で手を振った。
潮風を浴びながらジリジリと照らす太陽を感じ思う。
この恋は、きっと夏のせいだ。
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