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転職しましたー転職の5W1H

新卒で入社して以来17年間勤務したIBMを退職し、同業他社に転職しました。

不満があったわけではなく、仕事には満足していたし自分に合った居心地のいい環境でした。
それではなぜ退職し、転職することを選んだのか。
自分の思考の整理も込めて書き残しておきます。

はじめての転職でなにをどうすればいいかわからない状態からはじまって、以下5W1Hの順番で考えていました。
思考する過程で行ったりきたりはありますが大きな流れはこの順番です。
1. Why:なぜ転職するか
2. Who:自分は何者か
3. What:なにをするか
4. Where:どこで働くか
5. When:いつ転職するか
6. How:どうやって転職活動するか

1.Why:なぜ転職するか

新卒で入社以来10数年間を一社で過ごしてきました。
以前から一社しか知らず他の環境を経験したことがないこと、部署やプロジェクトの移動、赴任などはあったものの「自分のキャリアが大きく変わる変化を経験したことがない」ことに対する危機感がずっと心の中にありました。

ただIBMは大きな会社で自分が知っているのはほんの一部。
転職を考えたことはありながら、変化は今の会社の中でも経験できると思い「今は辞めない」と決断してきました。

しかし、英語の勉強のためにたまたま読んだ「The 100-Year Life(邦題:LIFE SHIFT)」で、変化に適用し、新しいスキルを身につけ、自分を作り替えることはこれからわれわれが経験する人生100年時代では避けられないということが繰り返し述べられていました。
まさに自分が危機感を持っていた「変化を経験したことがない」ことがより重大さを増してくるとあらためて認識することになったわけです。

今の会社でも新しいことはできるといっても、あくまでも今の延長線上。
まったく新しい環境でキャリアを作り直すこととは別物。
また今後ひとつの会社でずっと働き続けることは現実的ではなくなるため、年齢を重ねてから受け身で変化を迫られるより、このタイミングで自分から変化を起こし、新しい環境とスキルに適応することが必要という結論に達しました。

「自ら不連続な変化を起こし、新しい環境でスキルとキャリアを再構築する」ことが自分にとって「なぜ転職するか」の答え。
なので今の会社がどうこうはあまり関係なく、ある意味「転職して環境を変えること」自体が目的でした。
一方、積極的に収入を増やすモチベーションはあまりありませんでした。
子どもが生まれるタイミングでしたが激減しなければよく、現状維持できればまあ御の字かな、といった感じでした。
(結果、そこそこ上がりましたが)


2.Who:自分は何者か

転職するとして、どこにいって何をするか。
それを考えるにあたり「自分は何者なのか」を見つめ直すことからはじめました。
どんな自分でありたいか。これからやりたいこと。これまでのキャリアの中でおもしろいと感じたもの。力を発揮できたこと。心地よく感じた役割などを掘り下げて考えていきました。

中途採用は短期で結果を出すことが求められるため、成果が出せそうなポジションである必要もあります。
また、自分はマネジメントというより技術寄りの人間。

これらを考え合わせ、自分を「技術に軸に活動するITアーキテクト」であると定義しました。


3.What:なにをするか

Who:技術を軸に活動するITアーキテクト

だとして転職して何をするか。
自分が何者であるか定義したところで、それに沿ったポジションがないことには行き場所がありません。
そこで転職サイトや興味がある企業のサイトで転職市場にどんなポジションがあるのか調べました。
その中から、
ーなにがしたいか
ーどんなスキルをつけたいか
ー強みを発揮できるか

を考え「クラウドに関するサービスをお客様に提供する」ポジションに絞り込みました。
ITベンダー的に言えばプリセールスではなくデリバリー。
今の会社でやっていることと立ち位置は似ていて、新しい要素はクラウドというテクノロジー。
基本的には今の会社でやっている役割には慣れているし、短期で成果を出すことが求められる中では、新しいことに挑戦する要素はテクノロジー面に絞ることにしました。


4.Where:どこで働くか

Who:技術を軸に活動するITアーキテクト
What:クラウドに関するサービスをお客様に提供する

とすると選択肢は多くなく、外資系のITベンダー数社に絞られました。
その中で希望するポジションの募集があり、よりおもしろそうなことをやっていて、自分に合いそうな会社から応募することにしました。
(実際応募したのは同時並行で2社のみ)


5.When:いつ転職するか

Who:技術を軸に活動するITアーキテクト
What:クラウドに関するサービスをお客様に提供する
Where:外資系ITベンダー数社

いつ転職活動をしていつ新しい会社に移るのか。
子どもが生まれる予定で育休を控えている中、タイミングは難しかったです。
参画していたプロジェクトのきりがいいタイミングと、第2子ができる可能性も考えて育休取るためには1年間の勤務実績が必要なためあまり先に伸ばさない方がよく、2020年6月退職・7月入社を目標としました。

そこから引き継ぎ期間等逆算し、応募するのは育休開けて多少落ち着いているであろう2020年の3月からと決めました。


6.How:どうやって転職活動するか

Who:技術を軸に活動するITアーキテクト
What:クラウドに関するサービスをお客様に提供する
Where:外資系ITベンダー数社
When:2020年3月から活動開始、2020年7月に転職

あとは実際にどう転職活動を進めていくか。
大手の転職エージェントに登録したのは2019年の夏頃。
情報収集だけはしておいて2020年の3月ごろ応募という目論見でいたものの。
エージェント数社と話しても自分の目指すポジションの的を得た提案が出てこず。

まだ時間はあるし、希望するポジションの応募が出てくるのを待つつもりでいたところ、一本のメールが届きました。
まさに自分が志望している外資系ITベンダーに強いエージェントから転職活動の誘い。
そこで転職活動を進めることにしました。

こうして育休に入る直前のころから徐々に情報収集からはじめていくことになりました。

最後に

意識しはじめてから転職するまで数年。
今回はまず転職することを決めた前提で活動を開始したところが大きく違っていたように思います。
また、育休という要素があったこともありますが、今回も半年以上はかかっています。
自分としてはこうして考えを整理する十分な時間があったことがよかったように思っています。

特に、
1. Why:なぜ転職するのか
2. Who:自分は何者なのか
3. What:なにをするのか
の3つを迷いがなくなるまで考え抜いたからこそ、自信を持って面接に臨むことができました。

そして考えていたとおり2020年3月に2社に応募。
4月に2社両方からオファーをいただき、うち一社のオファーを受諾しました。そして5月末までにきりのいいところまで引き継ぎをしてプロジェクトを離任。
6月は有給消化で1ヶ月休み。
新しい会社で必要になるテクノロジーをひたすら勉強して過ごし、6月末退職しました。
7月から完全リモートでまだオフィスに出社することはないものの、2ヶ月のトレーニング期間がはじまっています。
新卒で入った時とは違って自分は若くないし、環境もまったく違いますが、社員の方は優秀で親切な方ばかり。

新しい環境で自分にとって新しいテクノロジーと仕事のやり方をキャッチアップすべく必死です。
こんなに必死なのは足なくなって入院リハビリしてた時以来だな。

数年後、IBMを出て新しい環境を選んだこの決断が正しかったと言えるように、今はやるときです。

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