頭は悪いんだから使うな…

昨日、とある全国レベルのアスリートのメンテナンスをしながら話をしていて、僕の口からフト出た言葉。

スポーツをしている選手たちの身体のメンテナンスを日々仕事としてしてます。

身体の不調、重いとか動きにくいとかうまく技ができないとか、そういう訴えをもらいます。それが単に肉体的なものの場合、たいていはどうにかなるというか、解消できます。でも、できないことがあります。

それは、心とか性格的なものが絡んでいる場合。

微妙なメンテをしていくと、ここに引っ掛かってきます。大きな壁。

頭を使う、考えることはとても重要だし、大切です。スポーツをするうえでも必要です。なかには根性や気合だけで乗り切ろうとする選手やコーチもいますが、上を目指すなら無理とは言わないけど、かなり苦しいでしょう。

で、「考えることは、身体を動かすと同時に行ってはいけない」です。アスリートは本当に調子のいい時にはゾーンに入るといいます。これは何にもなくなることのように表現されることが多いです。つまりは考えなくなる。身体が勝手に動くようになるということ、かなと。

例えば、食事をするときに箸を使う人は日本人なら多いと思います。でもね、箸を使うときに、どの筋肉にどのタイミングでどれだけの力を入れるかを考える人は多分それほど多くないと思うんです。つまりは無意識に動いている。

新しい動きをマスターしようとするときに、最初はコーチに習ったりYouTubeやテレビの録画などから有名選手の動きをみたりすることがあると思います。だから、最初はそれを思い出しながら考えながらすることにはなっちゃうと思うんです。

でも、「考えるというのはとても遅い」ので、動きの練習にはならないんですよね。考えたってわからないこともあるし、気づけないこともあるし、だから「頭は悪いんだから使うな…」になるんです。

日常的に、普段からそうしろじゃないので、誤解なきように…。

昔読んだ本ですけど、「意識をするな」系の本です。テニスコーチをされている方が書いた本。僕も、少なからず影響は受けています。新しくなっているな…。テニス以外にも通じる話なので、サンデーレクスポーツではなく上達を目指す選手・コーチは目を通しておいてもいいかも。

スポーツの話では全然ないけど、これも同じような話。意識はかなり狭い範囲のことしかできない。無意識は無限大。

結局、誰かに受けた影響で、常に周りに気を使ってしまう選手は、身体が思うように動かないことや思ってもいないのに勝手に動いてしまう場合があって、それがメンテの壁になることがあるという話。

こうやって言語化すると信じられない人も多いと思いますが、実際にはかなり多くの人がこういう状態になってます。1/3はいるよなぁ…、きっと。

もう肉体系の調整だけでは限界なのかな…。

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