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To Infinity and Beyond: トイストーリー4のラストシーンが3よりも幸福な理由

最後なので、これまでの一覧載せます。

To infinity and beyond:トイストーリー4が「無限の彼方」に行く理由

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Lost Toy: トイストーリー4がひっくり返した価値観とBo Peepの変貌

Just for YOU: トイストーリー4のWoodyは僕であり、あなただ

To Infinity and Beyond

「永遠の彼方へ」って、意味わかんなくないですか?僕もよくわかんなかったんですけど。。。
1から出てきたこのセリフ、今回このセリフに25年後の伏線回収(当時はさすがに考えてないと思うので辻褄合わせだと思うが)がなされる。Buzzが優しい目と言葉で放つ「Bonnie is OK」で涙腺ぐわっときたその1分後に、輪をかけて泣かされるこのシーン。

僕はこのシーン、長年の親友との感動的別れのシーンであると同時にTo Infinityと言ったBuzz側and Beyond側のWoody側「それぞれの幸福」が示唆されていると予想する。

つまり「子供に愛されるのが絶対の幸せ」から「子供に愛されるのも、自分の意思で生きるのも、それぞれが幸せ」という1つに収まらないそれぞれの価値観を肯定するこのシーン。多様性Diversityがテーマとなっている今に対して非常にマッチしたアイデアであると同時に、これまでのシリーズもけして否定しないという(3に引き続いて言いますよ)これ以上ない満点の回答!!!最高かよ!!!

ちなみに完全な個人的深読みで「Infinity 永遠」と言ったBuzz側は「子供に愛されていつまでも幸せ」という旧来のDisney的な永遠の夢グループであり、「Beyond それを超えた先にあるもの」と言ったWoody側は「失うものも得るものもある、止まらない時間の中で生きるもの」という諸行無常グループだと思っている。

Woodyの蛮行によって足の一部が欠けてしまったあの羊たちを覚えているだろうか?あの足が「もう治らない」事はかつてのDisneyでは描けなかった。つまり、永遠で完璧な世界だから。ボイスボックスを失ったWoodyも、足が欠けた羊達も、失ってもなお前に進み続ける、「限りある存在」つまり僕らと同じ存在になったのだ。

Toy Story4を作らなければ良かった、という意見の中には、恐らく「あのままのトイストーリーの世界を守って欲しかった」「永遠にWoodyとBuzzは一緒にいて欲しかった」というものもあると思う。確かにそうなのかもしれないけど、「失う事を恐れずに時代に合わせてアップデートしていく」道を選んだPixarは、Woody側なのだ。そして皆さん覚えているだろうか?Infinity側に残りWoodyから離れたBuzzのモデルは、シリーズの産みの親でありながら昨年Pixarを去ったJohn Lasseterなのである。

この2人の別れはPixarからJohnへの別れの儀式でもあるのだ。ありがとうJohn、それでも僕達は前へ進むよ、と。シリーズ通して「原作者」であった彼が今回のスタッフロールに残ったのは唯一「ストーリー原案者」として。Pixarを世界一のアニメ会社にし、Disneyで歴代最高売上のアナ雪を作った偉大な男に敬意を込めつつ、Pixarの示した意志に涙を禁じ得ない。。。

号泣x号泣x号泣メーーーーーーーーン!!である。


スタッフが現状全員「これで終わりだと思っている」と公言している今作。予言しますが「10年後くらいに絶対5作られる」に1億ペリカ賭けます。3までに築いた物を失う事を恐れずこれが作れたスタッフがいる限り、また必ず新しいToy Storyに出会えるはずです。

みんな、長生きしようぜ!

サポートされたら、俺はその倍額を寄付する。倍返しだ。