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それは未来なのか?人のいないコンビニとそこで働く人々

これは2019年3月に書いた記事ですが、すっかり公開するのを忘れていたので今更ですが出させてください。まだ、間に合う感じだと思っています。

仕事柄、毎年3月は必ず1週間程サンフランシスコに行く。この時に楽しみなのは、世界中から集まる知り合いに会う事、そして高速で進化していくサンフランシスコの街を体験する事。

5、6年前Uberを始めて体験した時は衝撃だった。一ブロック先から一瞬で寄ってきて、さっと目的地へ着き、さっと降りる。完全に未来の体験だった。日本では未だに実現していない世界。

一方去年は自転車シェアリング。東京にも一瞬で広まったサービス。既存業界が無かったからだろうが、完全にフィットしていた。今年は乗り物で言えば、キックボードのシェアリング。移動手段は年々変化する。

今年は忙しくて何かを試すのも忘れていたが、偶然オフィスの近くにあったので、試してみた。それが無人コンビニ「amazon go」だ。コンセプト自体はずいぶん昔からあったが広まらず、模倣が簡単なので今は世界中に出来ている「無人店舗」の火付け役。さて、どんな体験をさせてくれるのか。

外から見ても全くもって地味な外観。実験店なのでこれで良いのだろうが、中国ならド派手にやりそう。

入店にはアプリが必須。当然amazonアカウントも。アプリのこのコードをスキャンして入る。

中に入って戸惑う人の為に、入り口で店員が案内する。


、、、そう、既に店員がいるのである(オレンジの上着2人が店員)。ダメじゃん!!!無人コンビニじゃねーじゃん!!


よくある誤解その1

 amazon goは「無人」コンビニではない。これは店内やアプリのFAQにも明確に書かれている。店には実はたくさんの店員がいる。システムに戸惑う客だけでなく、欲しいものを案内する人もいる。倉庫と店内を動き回る仕入れの人もいる。もしかしなくても、、、日本のコンビニより人多い!

Amazon goは無人ではない。では、一体何がそんなに革新的なのか。ん?そもそも、革新的なのか?なのか??

よくある誤解その2

amazon goは革新的、、、でもない!。店内に入るには、ゲートにアプリのQRコードをかざす。「うわー未来やー!アプリかざして入るんやー!」と、思う人はほとんどいない。なんなら、毎日やってるやつやこれ。電車乗る時、ディズニーランド入るときなんか何年も前からあるやつや。なんならちょっと時代遅れ感すらある。拍子抜け。

中に入ると様々な商品。店舗によって当然違うのだろうが、ここにあるのはほとんど食品。特徴的な点がいくつか。

1. PB、つまり独自商品が多い。
2. 陳列が整然としている。気持ち悪いくらい。

1番目はもはやamazonなら驚かない。むしろPBをさばくために始めたと言っても過言でない。「縦に独占しろ」でお馴染みの一気通貫戦略。
2番目は意図的というより必要性だろう。棚から何を取って何を置いたかを確実にセンサーで読み取る為には、商品毎に明確にしておく必要がある。

商品の一部紹介。紙のバッグは有料。これは勝手に読み込んでくれないっぽくて、アプリで手動操作。

スープが美味しそうなの多し。値段が安いかというと、、、そうでもない。

ご存知の方も多いが、アメリカではKOMBUCHAが大ブーム。昆布でもお茶でもない発酵させたお酒という謎ジャンル。

材料を買って家で作るミールキットも売っている。これは便利。

amazon goでは、勝手に商品を取り、勝手に出て行って良いシステム。一度取ってもまた元に戻せばお金がかからない。らしい、という事で早速出して戻す。

チャージされてなかった。他の商品も細かく試すが問題無し。一体どんなシステムになっているのかさっぱりわからないが、とにかくよくできている。ゲートでスキャンするとしたら、身体に変な影響ないのか??とか心配する。

よくある誤解その3

入る人は全員amazon account必須、、、ではない。
実は、2人や3人のグループでも入れる。これは良いなーと思った。その場合は代表者1人のスキャンを1人通すたびにする。「この人が持っていった分はこのアカウントですよー」とするのだ。子供が親に隠れてお菓子持って外へ出て後からチャージされている絵が目に浮かぶ。

ひとまず、2品ほど買って外に出る。買って?いや持って外に出る。ゲートでは立ち止まることもなく、またスキャンする事もなく、ただ出る。小さくイートインスペースがあるので、店員さんに勧められたスープを飲む。ゴミ捨てる。出る。ふむ。。。


結局何が特別なのか?


amazon goのキャッチコピーを見て、なるほどと。


当初描いていた理想形とは違ったとは思うが、1)レジに並ばなくていい。 2)キャッシュレス この2つがウリになったようだ。確かに十分便利な気がする。しかし、革新的かと言うとそうではない気がする。まだかなりの部分がアナログだし、人件費はむしろ効率悪い。同時に、現状は明らかにゴールではなく、実験段階である事もよく伝わってくる。出来る事を実現させながら、一歩一歩未来の小売店を模索しているようだ。その行程に立ち会えるだけでも価値のある経験だった。

一人寂しくコンビニ飯 in San Francisco


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